母親の再婚で新しい父親、そして妹ができた

離婚から約2年後に母親が再婚することに。結婚前に会ったときにはとても優しそうな男性というイメージを抱き、母親の再婚に反対することはなかったそう。

「私が好きなステーキのチェーン店で会いました。相手は母親の会社の同僚で、年齢は母親よりも2歳年上。初めて会ったときにはその人は常に笑顔で話しかけてくれて、良い人という感じでした。再婚したいと聞かされたときもまったく反対はしていません。苗字がまた変わることだけが嫌だっただけ(苦笑)。

結婚してからも義父はとても優しくて、3人で色んなところに出かけました。初めて父も母もいる3人家族という状況で旅行にも行きました。父親がいたらこんなに色んなところに行けるんだって思いましたね。離れて暮らす父とは日帰りでしか会えなかったし、母親と2人きりのときに遠出することはありませんでしたから」

しかし、その状況が一転します。その理由は妹ができたことでした。

「母親の妊娠を伝えられたときには妙な恥ずかしさがありましたけど、妹か弟ができるのは嬉しかったです。生まれたときに私はすでに中学生だったこともあり、妹の面倒を見ることもありました。

でも、私が何かできないことがあると、母親が私に物を投げてくるようになったんです。今振り返ると産後うつみたいなものだったのかもしれませんが、妹には笑顔で、私には『あんたが手伝ってくれないからこんなにしんどい目に遭っている』と言いながら洗濯物やオムツなどをうんざりしたような顔で投げてきました。それにあんなに優しかった義父も私のほうをまったく見なくなった。私は邪魔なんだなって思いました。そんなことが続いた後、父親に引き取られることになったのです」

父親との暮らしは楽しかった。でも、父親にも再婚相手ができて……。

~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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