取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った遥香さん(仮名・36歳)は現在、娘との二人暮らしをしています。遥香さんは兵庫県出身で、両親との3人家族。小学生のときに両親が離婚して母親に引き取られます。両親が離婚してからは母親とも父親ともいい関係を築けていたそうですが、母親の再婚から妹が誕生して、母親と義父の態度はガラリと変わってしまいます。
「母親が再婚して、新しい父親との三人暮らしがスタートしてからも仲良くしていたんです。妹が生まれる前までは。妹ができて後は母親から私に向けられるのは怒った顔かうんざりとしたような顔ばかり。義父は私に一切関心がなくなりました」
妹ができて邪魔になった私は父に引き取られることに
母親からの暴言と暴力、義父からの無関心が半年以上続いた中でも父親との月一の面会は続いていました。父親に家での生活を聞かれても告げ口をすることは一切なかったとか。
「母親や義父の耳にそのことが入るのが怖かったんです。もしかしたら義父からも叩かれるかもしれないと。父親には家のことを聞かれてもみんなで仲良くしているとか、三人暮らしのときに連れていってもらった思い出を今のことのように話すようにしていました」
中学生に上がってからも父親との月一の面会は続けていたそう。そして、中学2年生のときに父親に引き取られることになります。
「父親から『お父さんと暮らそう』と面会のときに伝えられました。正直言って、嬉しかったです。でも私だけの意思でうなずいてしまったらますます母親から裏切者だと罵倒されるかもしれないと思い、何も返事ができませんでした。父親はその場はそれ以上のことは伝えてこなかったのに、家に帰ると母は真顔で『あの人(父親)のところにはいつ行くか決まったの?』と聞いてきた。そのときに、もしかしたら母親が父に私を引き取るようにお願いしたのかもしれないと思いました。それを父は優しさで自分の意思で暮らそうという風にしてくれたのかなって」
【父と義母に子どもはできず。それを喜んでいる自分がいた。次ページに続きます】