年に一度は丸洗い。汚れは水に流しましょう。

イラスト/なかむらるみ

大量の汗と湿気で、夏場は特に寝具の衛生面が気になるところ。通販番組やCMで見かけるふとんのダニにゾワゾワしてしまいますね。

ふとんを汚れたままに放置すると、ダニの温床となり、死骸や糞で皮膚炎やぜんそくが引き起こされることもあります。今回は、夏の終わりにこそ実践したい「ふとんの衛生対策」について、基本のポイントをおさらいしていきましょう。

【衛生対策1】
ふとんの奥に潜むアレルゲンはまず掃除機で吸引除去

天日干しのあとに必要なのは、ダニの死骸や糞をしっかり除去するということ。天日干しや乾燥機の熱で死滅させたとしても、死骸や糞などアレルゲンはまだ残っているので、乾燥の仕上げにはふとんクリーナー(ふとん用掃除機)を使って、ダストを吸引する必要があります。

ある研究では干す際に強くふとんを叩くと、ふとんの綿の内部のアレルゲンが表層部に移行し、就寝中にアレルゲンが接触し、吸い込んでしまいやすくなるという結果もでています。クリーナーを使うほうが手軽で確実といえそうです。

ふとんクリーナーをかけたら、最後にベッドの下やまわりも掃除機を丁寧にかけて寝室全体を清潔に保つ心がけを。

【衛生対策2】
アレルゲンは水溶性だから「まるごと水洗い」が効果的

ふとんクリーナーでは「ふとん深部のダストはどうなるのか?」と思う人も多いでしょう。やはり完全に除去するにはふとんも“丸洗い”が効果的。原因となるアレルゲン物質はほとんどが水溶性なので、衛生的に保つには1年に1度の水洗いがベストです。

薄手の掛けふとんや夏掛けのふとんなど、家庭で洗濯ができるものもあれば、専門店に限られるものもありますが、多くの素材のふとんは丸洗い(水洗いクリーニング)できます。クリーニング店やふとん専門店など信頼のできるお店に依頼を。

綿のふとんは打ち直しができますが、日干しをしてもかさが回復しなくなったら、打ち直しに出す時期。丸洗いと打ち直しをしながら、10年くらいは快適に使うことができるでしょう。

【衛生対策3】
イヤな臭いの原因となる汗と皮脂は除菌スプレーとカバー替えで対応

皮脂や汗がしみ込んだ寝具の臭は気になるもの。特に頭皮が直に触れる枕カバーは頻繁に洗濯したい寝具の筆頭です。最近では洗える枕もあるので、枕自体も清潔にするとぐっと快適性が高まります。

枕も含めて洗いにくい寝具の臭いにはカバー替えと除菌スプレーが有用です。消臭・除菌できるスプレーは、有効成分が繊維の中に浸透することで、臭いの原因菌を除去して消臭するので、表面がしっとりするまでしっかり噴霧することが大切です。
寝具だけでなく寝室のカーテンにも使い、消臭・除菌を行いましょう。

ふとんを干してダニを死滅させたら、しっかり吸引してアレルゲンを除去。加えて水洗いというスペシャルケアと日常的な除菌も欠かせません。便利な機器や効果実証のある除菌アイテムを利用して、ジメジメした夏も衛生的に過ごしましょう。

構成/庄司真紀

 

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