将来は父親と違う道へ。高校生の時には父と会話することさえほぼなくなっていた

勇人さんが高校生になっても、一番下の妹はまだ小学生。兄妹仲は普通だったそうですが、父親との関係は悪化。将来の夢も父親とはまったく違う道を目指すようになります。

「妹同士は仲良くしていましたよ。僕はどちらの妹とも程よい距離というか、まぁ男女なんでそこまで一緒には普通いないですよね。高校生の時に小学生の妹とケンカした記憶もまったくありません。妹というより、姪っ子みたいな感覚というか、距離が普通の兄妹よりも遠い感じでした。

父親との仲は険悪でしたね。高校の時の進路相談で、僕はデザインの道に進みたくて一度相談したことがあったんですが、どんな仕事かを聞くこともなく頭ごなしに反対だけするんです。専門学校への進学も反対されました。『大学に行かないなら働け』と。そこから必死に説得して、お金を返す条件で専門学校への進学を許可してくれましたけどね。家を早く出たい気持ちから高校の時はずっとアルバイトをしていたんですが、学費を貯めないといけなくなったから、専門学校は自宅から通い続けました」

専門学校を卒業後は都内のデザイン事務所に就職。最初はお金がなく実家から通っていたそうですが、同じ事務所で働く女性と付き合うようになり、押しかけるかたちで同棲が始まります。

「家を出られた時は本当に嬉しかったですよ。家は1人部屋をもらっていたけど、部屋の区切りは襖一枚なので全然プライベートはありませんでしたから。それに妹たちは2人で1部屋だったから部屋を空けてあげたかったし。両親には同棲ではなく、男友達とルームシェアをすると嘘をついていたので、反対されることも追及されることもありませんでした。家を離れると家族との付き合いは母親からの電話のみになりました。母親が家族と自分をつなげてくれる役目を担ってくれていました。だから、母親がいなくなると、家族のバランスは徐々に崩れてきてしまって……」

一番下の妹はいじめが原因で学校を休みがちに。そして母親がいなくなると、家族のバランスは徐々に崩れていきます。
~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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