睡眠と健康には、非常に密接な関係があります。厚生労働省の調査でも、質の悪い睡眠は生活習慣病の疾患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが明らかになっています。睡眠の悩みをそのままにしておくと、生活や仕事の質へも影響し、他の病気につながってしまうことにもなりかねません。どうしたら質の良い睡眠をとることができるのでしょうか。
そこで、内野株式会社(https://www.uchino.co.jp/)が、睡眠に関する意識調査を実施しました。回答者2,476名(男女)の調査結果から、どのような悩みを抱えているのか、睡眠の質を上げるためにどんな工夫をしているかについて、調べていますのでご紹介いたします。
■改善したいと思うが、具体的に何をしていいのか分からない
「自身の睡眠に対する改善意識で、最も当てはまるものを選択してください」という質問に対し、「具体的に何をしていいのか分からない」と回答した人が、約60%いることが分かりました。改善したい! 何かしなければ! という気持ちはありながら、何から始めて良いのか分からないために、実行されていないのではと推測されます。
■意識を変え、努力することによって快適な睡眠がとれる
次に 「具体的に何をしていいのか分からない人」と、「普段から睡眠の質を上げる努力をしている人」のそれぞれに対し、睡眠中、起床時、日中にご自身が感じる状態を尋ねました。
「多少気になる点はあるが比較的快適」「起床時すっきりしており睡眠中の不快感がない」という回答に着目し、両者を比較しました。すると、 「具体的に何をしていいのか分からない人」 のグループは、「朝なかなか起きられない」「昼間の眠気が強い」や、「集中力、記憶力、仕事や学習意欲の低下」などの項目で割合が増える結果に。ここから、質の良い睡眠をとる工夫をしている人との 睡眠に対する満足度や、日中のパフォーマンスに違いがあることが分かりました。
日頃から睡眠の質を改善しようという意識の高い方は、やはり睡眠環境を整えるために何かしら努力をし、結果として質の良い睡眠がとれている人が多いことが、数値から読み取れます。
■快眠アイテムの上位は、「まくら」と「パジャマ」
睡眠と健康には深い関係があることが、うたわれるようになった社会的背景もあり、質のよい睡眠をサポートするアイテムが数多くのメーカーから販売されています。睡眠を改善するのに取り入れているアイテムにはどんなものがあるのでしょうか。
次の質問では、「睡眠改善のためにお持ちのアイテムを選択してください。(複数回答)」と尋ねました。
「普段から睡眠の質を上げる努力や工夫をしている人」と「改善したいと思うが、具体的に何をしていいのか分からない人」に大きな差はなく、トップ3は「まくら」「パジャマ」「マットレス」という結果に。寝心地や肌触りによって、効果が体感しやすいアイテムが並びました。
次に、「睡眠時にパジャマを着用していますか?」という質問に対しては、両者ともにパジャマ着用率は高く、特に睡眠に対して意識の高い人の73.8%が着用していることがわかりました。パジャマが快眠アイテムとして多くの人に取り入れられていることが分かりました。
■睡眠コンサルタント友野なお先生のコメント
快適な睡眠から健康を得るために、様々なアイテムがありますが、ここでは多くの専門家が推奨している「パジャマ」に着目し、睡眠コンサルタントの友野なお先生にパジャマの重要性やパジャマ選びのポイントを教えていただきました。
▼睡眠の質を改善し、健康的な生活を送るには、パジャマは欠かせない
私自身、現在よりも15kg以上の肥満やアトピー、重度のパニック障害を克服する過程において、全力で睡眠改善に取り組んだ経験があります。そういった様々な取り組みの中でも、上質なパジャマを着用した際には、睡眠の満足度が極めて高くなりました。これには衝撃を受けたと同時に、感動したことを今でもはっきりと覚えています。
▼パジャマがスムーズな寝返りを叶えてくれる
普段あまり寝返りを意識しない方も多いと思いますが、実は就寝中の寝返りには大切な役割がギュッと詰まっています。
【パジャマの役割1:皮膚温調整作用】
寝具と体がずっと同じ面で接触していると、そこに熱が籠もって皮膚温が上昇し、さらに、接触面辺りの皮膚は発汗が抑制されてしまいます。汗には気化して体温を下げる働きがあるため、発汗の抑制によって体温調節ができず、ますます熱が籠もるというフローが出来上がってしまいます。その不快感が覚醒刺激になって、睡眠を浅くしてしまうことにつながるのです。自然な寝返りをうつことは、熱の籠もりを未然に防ぎ、安定した睡眠を維持してくれます。
【パジャマの役割2:睡眠サイクルのスイッチ役】
睡眠はその深さによってレム睡眠(体の休息)とノンレム睡眠(脳の休息)に分かれますが、寝返りはそのサイクルがリズム良く進むためのスイッチ役になり、質の高い睡眠を維持します。
【パジャマの役割3:血流促進効果】
ずっと同じ姿勢でいると、マットレスに対して重力のかかり方に変化が出ないため、体重による圧迫や重力が、血流・体液の循環を低下させてしまいます。しかし、寝返りをうつことで血流・体液の循環を変化させ、血液のアンバランスの修正に役立つのです。他にも、同じ姿勢で寝続けていると、からだの重みがかかっている部分の筋肉が痛くなったり、骨格がゆがんだりするものです。これも定期的に寝返りをうち、適度に姿勢を変えることで防ぐことができます。
【パジャマ選びのポイント】
パジャマは、着ていて楽で体が動かしやすいこと、吸水性や吸放湿性、通気性が高いこと、適度な保温性があること、肌触りの良いものを選ぶのが正解です。全身の肌に直接触れ続けるので、肌へのあたりが柔らかで肌ストレスがないものを選ぶと、リラックス効果も高まるでしょう。
「睡眠上手」な人は「寝返り上手」であり、これはパジャマを着用することで叶えられる要素があります。睡眠改善の第一歩としておすすめするのは、心地よいパジャマを着ることからです。
友野なお
睡眠コンサルタント/株式会社SEA TRINITY代表取締役/千葉大学大学院医学薬学府先進予防医学医学博士課程/順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修士/日本公衆衛生学会/日本睡眠学会/日本睡眠環境学会正会員
***
健康意識の高い人は、質のよい睡眠を得るために、独自の努力や工夫をしていることが分かりました。良い睡眠は、心と身体の健康維持のためだけでなく、日中のパフォーマンスにも影響を与えます。睡眠の質を上げようとする認識は年々高まっていることから、必要な要素をバランスよく兼ね備えた快眠グッズも数多くあります。その中から、「これは」と思うものを取り入れてみると、効果が期待できるかもしれません。
<調査概要>
調査期間:2021年4月1日~4月12日
調査方法:インターネット調査
調査対象:UCHINO Online Shopにアクセスされたお客様(購入の有無問わず)
回答者数:2,476名