不倫の過去を消すために嘘に嘘を重ねていく
再会後に再び交際に至り、結婚することに。旦那さまの両親への挨拶では、後ろめたい気持ちからさまざまな嘘を重ねてしまったと言います。
「結婚式はせずに入籍だけして、私の親には電話で伝えたのみです。夫のご両親には最初は電話で伝えたら、会いたいという話になったので4人でレストランの個室で食事をしました。
ご両親とも『もう絶対に1人だと思っていた。拾ってくれてありがとう』という言葉とともにとても喜んでくれました。
そのときにご両親から私と夫の馴れ初めを聞いてこられたんですが、後ろめたさから出会った時期などを離婚後に、そして離婚後に出会ったという嘘を隠すために同じ会社で働いていた事実も隠してしまって……。気に入ってもらいたい、拒否されたくないという思いが強くて、その嘘からもう後に引けなくなりました」
過去に不倫していたこと、それを悟られないために重ねた嘘から義両親とうまく向き合えないという幸子さん。義両親はそんな幸子さんの態度に気づき、旦那さまとも距離を置いて付き合うようになっていったとか。
「最初に比べたら、距離は確実に開いてきていると思います。結婚して2年なのでコロナのこともあるといえばそうなんですが、それだけではないと思っていて。義両親は都内よりの埼玉県在住で、在来線で行ける距離なので最初は食事に誘ってくれることもあったんですが、私が余計なことを言わないためにもあまり会話をしないことがダメだったせいなのか、徐々に誘われなくなりました。夫は一人っ子なので、結婚前から数か月に一度は両親の様子見で実家で過ごしていたそうなんですが、それも義両親から遠慮されているそうです」
すべてに確証があるわけではなくすべて幸子さんの思い込みの可能性もありますが、こんな思いをずっと抱えているとのこと。
「いつまでこんな気持ちを抱えていけばいいのか。ちゃんとした関係になれても、ずっと後ろめたい気持ちを持ち続けないといけないのかなって考えることが多くて。夫婦生活はうまくいっていますが、それさえもダメなことに感じてしまっています」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。