取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った亜由美さん(仮名・40歳)は20代のときに結婚と離婚を経験、そして34歳のときに再婚して、現在は都内で旦那さまと2人の子どもとの4人暮らしをしています。2度目の結婚相手だった今の旦那さまは亡き父親とも仲良しだったそう。亜由美さんも義両親との関係はうまくいっていると思っていたそうですが……。
「結婚前に一度義両親を紹介してもらい、そこから何度か食事に誘ってもらうこともあって、その場も和やかな雰囲気でした。夫の幼少期の話を聞いたり、今度兄妹の家族も揃う場に誘ってもらったりとフレンドリーな感じでした。それに義両親とも働いていたので、忙しいのかあまり長時間一緒にいることを強要されることもなくて。淡泊な関係が続くんだろうなって思っていました」
義母は女性も仕事するべきという考え方を持っていた?
結婚を決めた後に行われた両家の顔合わせを兼ねた食事会。そこで働くことが偉いという義母の考え方を知ることになったそう。
「結婚式は私が2度目ということもあって、写真だけ撮ることにしました。結納なども考えていなかったので、ちょっといい場所で食事会をしようということになって。食事会は私が一人っ子なので義両親の姉弟も参加せずに、5人のこじんまりしたものでした。
その場では会話が弾んで、私の母親と義母も仲良さそうに会話をしていたんですが、母親がずっと専業主婦で父が亡くなった今も仕事をせずにいることを不思議がっているような発言もチラホラ出てきて。なんとなく仕事をしている人が偉いというような感じに聞こえたんですよね」
結婚して1年後には妊娠が発覚して出産。出産前後の1年は穏やかな生活を過ごせていたと言います。
「私は結婚後も働いていたんですが、妊娠が発覚して半年ぐらいまでは仕事を続けて、その後は仕事を辞めて自宅でゆっくりしていました。義母は忙しい方なので干渉を受けることなく、私の世話は定期的に母親が見てくれて、甘えっぱなしでした。それは子どもが生まれてからもしばらくは続きました。義母もたまに様子を見に来てくれましたが、夫の姉弟にはすでに孫もいて、溺愛まではいかずに落ち着いた対応で。程よい距離感はとても心地良いものでした」
【女性も仕事という新しい考え方に加え、長男の嫁という古い考えがある義母。次ページに続きます】