妻の死後、娘から「彼女でも作ったら?」と言われて……
妻の死後、娘から「彼女でも作ったら?」と言われて、自分の欲望に気が付く。
「教師=聖職者ってイメージがあったし、性欲というものに蓋をして過ごしてきたことに気が付いたんだよね。基本的に女性は数人しか知らないし、女房で満足していた。そのことに対して疑問も持たなかった。娘は『いつまでも私が世話していられないから、誰か世話係を探してきて』という意味なのでしょうけれど、私は『彼女』という言葉に生々しさを感じ、性的なものを連想してしまった。もう一つの自分の人生があるんだと感じた。なんというか、女性を求めるスイッチが入ってしまった」
篠原さんと妻は大学時代の同級生だった。熱烈な恋ではなく、互いに26歳の時に結婚を決めた。
「私の兄が、資産家のお嬢さんといわゆる格差婚をして、数年間で離婚してしまったんですよね。妻の実家にバカにされるなど、嫌な思いをしたみたい。そこから、付き合うなら、同じ考え方や資産状況などが同じくらいの人でないとだめだな、と。だから、同じような環境で育った女房を妻に選んだんだよね」
【同じレベルの女性と、穏やかに生きていきたい……そんな願いをかなえたのは、SNSだった。~その2~へ続きます】
取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。