年金不安や「老後2000円問題」など、シニアにとってお金の不安は尽きません。最近ではコロナ不況による収入減、仕事減が家計をますます圧迫しているという人も少なくないようです。そんな中、シニアの間で「副業」を始める人が急増しています。
副業仲介サービス最大手のランサーズが登録者(115万人)にアンケート調査を実施したところ、新型コロナウイルスの影響が社会に及び始めた2020年2月以降に「副業を開始した」と回答した人が約3割にものぼったそうです。
さらにコロナ禍以降に副業を始めた人の約3割が「本業で働く会社で管理職などの役職についている」と回答しており、「定年を意識し始めたビジネスパーソンの副業への関心が急速に高まっている」(同社広報)との分析もあります。
ミリオンセラー著者による『儲かる副業図鑑』が話題に
そんな中、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)などの著作があり、最近では副業で始めたYouTubeのチャンネル登録者数が第1位(会計士部門)となるなど、「お金と副業」の実状に詳しい公認会計士の山田真哉さんの新刊『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』が話題を集めています。
同書は在宅勤務やリモートワークなどの広まりを踏まえ、コロナ禍やコロナ後に稼げそうな80種類の仕事について、「始めやすさ」「やりがい」「収益性」「スキルアップ」「在宅ワーク度」の5つの指標を交えて分析しています。経験者たちによる「生の給料情報」や、その道の達人たちが教える「儲けるためのウラ情報」なども満載です。
山田さんは、シニアが副業を始めることには「収入増」以外にもさまざまなメリットがあるといいます。
「長年、本業の会社での仕事が中心であった今のシニア世代は、定年退職後、収入減だけでなく、仕事に代わる『生きがい』や仕事以外の『人脈』が作れず、一気に老け込んでしまう人が少なくありません。お金のためだけではなく、老後の人生を豊かにするためにも副業を試してみてもいいと思います」
「ベテラン」に需要殺到! シニア向けの副業とは?
ランサーズによると、現在は会社が存続していくために必要なあらゆる業務、例えば、総務や経理、営業、開発、マーケティング、広報などの仕事が「副業」として募集されており、それらの経験がある人は同社のサービスを通して副業ができる可能性があるそうです。
中でも、コロナ禍の今、シニアにオススメしたい「儲かる副業」はあるのでしょうか。同社も取材協力している山田氏の著書『儲かる副業図鑑』の中から、厳選して3つ紹介します。
オススメ1「オンライン講師」
コロナ禍で社会にオンライン環境が飛躍的に浸透したことで、講師業のすそ野が大きく広がっています。長年の勤務によって得た様々な仕事の知識や経験を伝える「ビジネス系講座」だけでなく、趣味や特技などのスキルを教える「カルチャー講座」のニーズも高く、シニアが講師として登壇するケースも多いそうです。
オンライン講座の場合、数ある専門サイトに諸情報を登録し、生徒を募集するだけでOK。配信準備や集金も含め、すべてがサイト側でマニュアル化されているため、80代の講師による講座なども多数登録されています。同書によると、月収目安は12万円となっています。
オススメ2「シェアビジネス」
年齢が増すに連れ、所有するモノが増え、片づけや処分に困っているのもシニアの特徴です。しかし、今は「捨てようか悩んでいるモノ」や「タンスの肥やしになっているモノ」がお金になる時代。最近は家や車、宝飾品、ブランド品などの高額商品だけでなく、あらゆるモノが「シェア」の対象になっています。
また、モノだけではなく、本人のスキルや時間、部屋の中の押し入れなどの「空間」までもが取り引きされており、「元手のかからない副業」として人気が高まっています。こちらもジャンルごとに複数の専門仲介サイトが運営されており、簡単なマニュアルに沿って手続きが行えます。
オススメ3「人材レンタル」
先の「シェアビジネス」のひとつでもありますが、自分自身の知識や経験、またはあまり知的な作業を伴わず、体そのものを貸し出すのが「人材レンタル」サービスです。かつては相談や話し相手などが主流でしたが、最近ではカフェでのお茶やジョギングパートナーなど、会話ナシで時間を共有するだけの需要も多いそうです。
中でも仕事や社会経験の豊富なシニアの需要は高く、「おっさんレンタル」などの有名サイトがテレビなどでも取り上げられています。こちらも専門サイトや人材派遣会社などに登録するなどして簡単に始めることができます。
副業で成功するコツも「マンガ」でわかりやすく紹介
『儲かる副業図鑑』では、この他にも、コロナ後に大儲けできる副業、在宅勤務のスキマ時間にできる仕事、仲間や生きがいが倍増するシゴトなど、80種類の副業が図鑑形式で紹介されています。また、副業の始め方、悩んだ時の対処法、税金の基礎知識などもマンガでわかりやすく解説されています。副業に興味がある方は、ぜひご一読ください。
山田真哉(やまだ・しんや)/公認会計士、税理士。1976年、神戸市生まれ。大阪大学文学部卒業後、中央青山監査法人/プライスウォーターハウス・クーパースなどを経て独立。『女子大生会計士の事件簿』(シリーズ100万部)、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)など、著作活動も注目されている。YouTubeの『オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する』はCH登録者数が約15万人(2020年11月時点)で、「公認会計士YouTuber」として第1位。最新刊は『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』。