「ミスが許されない作業中なのに、集中できない」、「集中力が落ちて、締め切りに間に合わなさそう」と焦った経験はありますか?
仕事に集中できないと、作業スピードが落ちたりミスしたりするので、本当に困りますよね。
そこで今回、株式会社ビズヒッツ(https://bizhits.co.jp/)が運営するビジネス上の問題解決を考えるメディアBizHits(https://media.bizhits.co.jp/)の実施した、働く男女500人に「仕事に集中できない理由」についてアンケート調査から、その結果をランキング形式でご紹介します。
【調査概要】
調査対象:全国の働く男女
調査日:2021年1月25日~27日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性317人/男性183人)
仕事に集中できないときがある人は81.0%
500人の働く男女に「あなたは仕事に集中できないときがありますか?」と尋ねたところ、結果は以下の通りでした。
「よくある(17.4%)」「たまにある(63.6%)」を合わせ、81.0%の人が仕事に集中できないことがあると回答。一方、集中できないことが「全くない」という方は8.6%にとどまっています。
やはり人間ですから、どうしても集中できないことってありますよね。
どんなときに集中できない人が多いのか見ていきましょう。
仕事に集中できない理由1位は「体調に問題がある」
「あなたが仕事に集中できないのはどんなときですか?」と質問したところ、睡眠不足や疲労など「体調に問題がある(136人)」が1位となりました。
続く2位は、家庭や恋愛などの「プライベートに気をとられている(103人)」、3位は「音が気になる(58人)」という結果に。
では、各回答の内容を詳しくご紹介します。
【1位 体調に問題がある】
・前日の疲れがたまっていたり、寝不足だったりしたときは仕事に集中できない(20代男性)
・病気になっていたが気がつかなかった時に、いつもしないミスを沢山するようになっていた(30代女性)
・花粉の時期がくると集中できなくなります(40代女性)
「睡眠不足で眠い」「残業続きで疲れていて集中できない」という回答が多かったほか、病気や花粉症、腰痛のせいで集中できないという人も。
また、生理痛やPMS (月経前症候群) 、妊娠中のつわりなど、女性特有の体調不良を挙げた人も多くいました。
【2位 プライベートに気をとられている】
・ソーシャルゲームのガチャが更新される日や、イベントの最終日などは集中できない(20代女性)
・子どもの体調がよくないときは「保育園から電話があるかも」と気になって集中できない(30代女性)
・家庭の経済的な不安があると、仕事に集中できなくなります(40代女性)
仕事中も、ついつい「楽しみにしているプライベートでの予定」や「家族や恋人とのいざこざ」などについて考えてしまう人が多いようです。
とくに「家族の体調が悪い」「家族とケンカした」「金銭問題」など、プライベートでネガティブなことがあると集中できないという回答が多くなりました。
【3位 音が気になる】
・上司2名が頻繁に口論をしていて、怒鳴り声がうるさく仕事に集中できない(20代女性)
・周りで人の噂話をしていて、気が散って集中できないときがある(40代女性)
・近隣の工事の音がうるさく、気になりだすとそちらに気を取られてしまう(50代男性)
音の種類は「工事」「怒鳴り声」など「騒音」と呼べるものから、「キーボードを叩く音」「貧乏ゆすりの音」まで、さまざまでした。
また、「疲れていると、音が気になる」という意見もありました。
普段は気にならない「時計の針のような小さな音」でも、疲れやストレスが溜まってくると、気になって仕方なくなることがありますよね。
【4位 忙しすぎる】
・いろんな事柄がまとめてきて、一度にいろいろな事をしなければいけないとき(30代女性)
・やるべきタスクが多く、時間内に終わるかどうかわからないとき(40代女性)
・予想外の事が立て続けに発生して、私自身では対処できなくなったとき(50代男性)
とくに、さまざまな仕事を同時に進めるときに、何から手をつけていいかわからなくなったり、他の仕事が気になったりして集中できないという回答が多くありました。
「これが終わったら、あの仕事もやらなきゃ。でも、終業時間までに完成できるかな?」と考えていたら、目の前の仕事になかなか集中できませんよね。
【5位 職場の雰囲気・人間関係が悪い】
・同僚が上司から罵声を浴びせられているとき(20代女性)
・苦手な人に質問をしながら仕事を進める必要があるとき(40代女性)
・仕事上でのトラブルで人間関係がギクシャクしているとき(50代男性)
「誰かが怒られている」「パワハラを受けている」など、職場の雰囲気・人間関係が悪いと、気を使ってしまって、仕事に向けるべきエネルギーが削がれてしまいますね。
「苦手な人と仕事するときには、ソワソワして集中できなくなる」という意見もありました。
【6位 急ぎの仕事がない】
・アパレル勤務なので、店内が閑散としているとき(20代女性)
・仕事が片付いたあと、次にやることがないときに眠くなる(30代男性)
・仕事が忙しくないとき、気が緩んでつい他のことに気が向いてしまう(40代女性)
4位の「忙しすぎる」と正反対の回答ですが、納期に余裕がある仕事や、急ぎではない慣れた作業をしているときに、ふっと気がゆるんで集中が途切れてしまう人も多いことがわかりました。
中には、「仕事が増えすぎると、どれから手をつけてよいかわからなくなる。逆に暇なことが続くと、仕事が入ってもやる気にならない」という人も。
忙しすぎても暇すぎても、集中しにくいようです。
【7位 作業を中断させられた】
・集中して仕事しようとしているのに、横から、興味のないどうでもいい話を延々と振られるとき(20代女性)
・電話やメール、来客等で意図しない中断があった際に集中力が途切れます(30代男性)
・自宅作業が増えて、周囲の環境によって集中できないことがあります。例えば、妻からの家事依頼や猫のかまってほしいアピール(40代男性)
話しかけられたり来客があったりして一旦集中が途切れると、元のように集中できなくなるという人が多数いました。
在宅勤務の方からは、「家族から声をかけられる」「宅配の応対で集中が途切れる」という声もありました。
仕事に集中できないときの解決策1位は「休憩する」
仕事に集中できないときの解決策を聞いたところ、断トツの1位は、コーヒーブレイクやトイレ休憩などの「休憩する(199人)」でした。
2位は、先に悩みを解決したり、ひとまず別の仕事に取り組んだりして「優先順位を変更する(56人)」こと。
3位以下は、「体調を整える(34人)」「自己暗示をかける(20人)」と続きます。
では、それぞれの内容について、具体的な回答を紹介します。
【1位 休憩する】
・外を適当に歩いたり、ちょっと遠くのコンビニまで足を運ぶ(20代男性)
・2~3分間、目を瞑ったり、少しストレッチをして気分転換をします(30代女性)
・トイレへ立ったり、飲み物を入れに行ったりして一旦席を離れ、リフレッシュを図ります(40代女性)
「休憩なしで長時間働くより、こまめに休憩したほうが業務効率が高い」という研究もあるので、休憩するのは集中力を取り戻すために効果がありそうです。
「休憩する以外ではなかなか解決できない」という意見もありました。
また、休憩の過ごし方は「トイレ」「たばこ」「コーヒーを飲む・お菓子を食べる」「散歩やストレッチで身体を動かす」「仮眠」「目を閉じてボーッとする」などさまざまでした。
【2位 優先順位を変更する】
・仕事モードに切り替えられないときは、大事な仕事を後回しにする(30代女性)
・簡単な仕事から片付け、残りの仕事の本数を減らしてすっきりさせるとモチベーションが戻ります(40代男性)
・切りのいいところで切り上げて、まず用事を済ませてから、仕事を再開する(50代女性)
大事な仕事を後回しにしたり、しばらく簡単な作業に切り替えたりするなど、優先順位を変更するという意見も多く挙がりました。
どうしても集中できないときは、無理に集中しようとするのではなく、「集中力が回復するまで、重要な仕事を後回しにしてミスを防ぐ」という作戦ですね。
また「親・子どもの体調が気になって集中できない」などの場合、電話をかけたりして家族の様子を確認し、先に心配事を解決してから仕事に戻るという人もいました。
【3位 体調を整える】
・昼食に炭水化物を食べない(20代男性)
・睡眠時間の確保を最優先にするようにします(40代女性)
・体調に関しては薬を飲みます(50代女性)
薬やグッズを活用するなどして、体調を整える人も多いようです。
ランチ後は眠くなって集中力が途切れがちなので、食事内容に気を配っているという人も。
また、生理痛に悩んでいる女性からは「カイロやひざ掛けで身体を温める」という回答も多く寄せられました。
【4位 自己暗示をかける】
・ミスするとどれだけ周りに迷惑をかけるか想像する。恐ろしくなって目が覚め、仕事に集中できます(20代女性)
・「焦るな、落ち着け」と声に出して言う。人間関係の問題なら「考えても無駄、大丈夫」と言う(40代女性)
・「今やるべきことはこれ!」と言い聞かせます(50代男性)
同じ「自己暗示」でも、「自分を追い込むタイプ」と「励ますタイプ」があるとわかりました。
ちなみに、自分を励ます場合には「私ならできる」という一人称ではなく、「君ならできる」など他人から励ましてもらっているような言葉のほうが、集中力やモチベーションの向上につながりやすいという実験結果があります。
【5位 仕事以外のことを考える】
・趣味や退勤後の予定について2〜3分考えてリセットする(30代男性)
・楽しいことや「今日の夕食は何を作ろうか」など日常的なことを考えます(40代女性)
集中力を発揮するためにはやる気やモチベーションが必要なので、「楽しいことを考えてモチベーションを上げる」というのは効果がありそうですね。
また、やる気を出すための方法として「上司の仕事姿を見る」ことを実践している人もいました。
【6位 ひとまず目の前の仕事をこなす】
・落ち着いて、一つ一つ丁寧に作業するようにする(30代女性)
・とりあえず、一つの仕事だけを考えて取り組むことにしている(60代以上男性)
優先順位を決め、最も大切で急ぎの仕事からひとつずつ取り組むことで、目の前の仕事に集中しようとする人が多いようです。
多くのタスクをこなさないといけない状況になったときに使える解決策ですね。
【7位 イヤホン・耳栓をつける】
・耳栓やイヤホンなどで耳をふさぐ(20代女性)
・イヤホンをして、少しでも雑音を軽減する(50代女性)
「周りの音がうるさくて集中できない」という人が多く実践していたのは、イヤホン・耳栓をつけるでした。
中には「ヘッドフォンをかけて作業しているときは、集中しているとき」と同僚に伝えている人も。
ただ「イヤホン・耳栓でも完全解決とはいかない」「耳栓をしているが効果はイマイチ」という声もありました。
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多くの人が「仕事に集中できない」と感じたことがあるとわかりました。
集中できない主な理由は、「体調が悪い」「プライベートに気を取られている」という、仕事や職場とは直接関係のないことです。
また、集中できないときには「休憩する」という人が最も多かったですが、「どうしても集中できないときは、ミスできない業務を後回しにする」という手段を使う人もいました。
多くの人が実践している「集中できないときの解決策」をたくさん紹介しましたので、「今日は集中できないな」というときには、ぜひ試してみてください。