桐は古くから、家具に適した木として愛されてきた。その信頼性は箪笥に使われることからも明らかだが、その一方、音響効果を高めてくれる木材だという側面も持ち合わせている。だとすればオーディオファンや音楽ファンは、その可能性を追求したスピーカーが開発されたというトピックを無視するわけにいかないだろう。

北海道や東北などの寒冷地で育つ桐は、軽量で防湿性が高く、音響効果がよいことでも知られる。琴に代表される和楽器の材料として使われるのも、そのような特徴があるからだ。事実これまでにも、家具メーカーなどが桐製のスピーカーを発売してきたことはあった。

だが、このたびオンキヨーが開発した桐のスピーカーシステムは、そうした従来製品とは明らかに異なる次元を備えている。理由は明白。桐の持つポテンシャルと最新の音響テクノロジーとを高度に融合させているからだ。

まず注目すべきは、筐体に和楽器で使われる桐素材のキャビネットを採用している点だ。キャビネットに軽量で多孔質な天然の桐素材を採用することで、自然な振動を実現。琴に代表される和楽器のように、優しく、深く、心地よい音像を生み出してくれるのである。

また、スピーカーにとって重要な意味を持つ「振動板」には、最先端のバイオマス素材であるCNF(セルロースナノファイバー)を採用。鋼鉄の1/5の軽さでありながら5倍以上の強度という、スピーカーユニットにとって理想的な特性を持つCNFに、楮(こうぞ)と厳選された高緯度地域の針葉樹パルプを配合したウーファーユニットを、このスピーカーのために開発したのだという。

ウーファーもツィーターも、最新の音響シミュレーションと解析技術による超低歪設計を実現していること。これにより、極めてひずみの少ない、クリアな音質を実現しているのだ。

ウーファー振動板の表面には、日本画にも使用される天然素材の「にかわ」でコーティングし、ボイスコイルとの接着部には桐油煙墨を含浸させることで理想の物性に近づけて、明瞭で厚みのあるサウンドを生み出してくれる。

新ノンプレスコーンウーファー

実際に体験してみると、そのサウンドの心地よさに驚かされる。誇張された部分がなく、あたかも自然音を耳にしているかのように、音の質感を楽しむことができるのだ。

機械的に増幅された音はたしかに刺激的だが、長時間のリスニングに耐えるものではない。しかし、こうした無理のない音色は、耳に負担を感じさせないぶん、何時間聴き続けても疲れを感じさせない。しかも天然素材だから、時間の経過とともに音はさらにまろやかさを増していくだろう。ともに成長していける、よき相棒のようなスピーカーだといえそうだ。

そしてなにより、美しい桐材のキャビネットは、どんなインテリアにも美しく融けこんでくれる。

撮影協力:カール・ハンセン&サン

撮影協力:CLASKA(Room 606)

この桐のスピーカーは、クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」の下記ページで先行販売されている。桐スピーカー本体と専用スタンド各2台のセットで 1,200,000円(税別)。限定5セットの販売となる。募集期間は9月30日までだ。

※「未来ショッピング 」先行販売製品ページ
https://nikkei.en-jine.com/projects/onkyo

また東京・八重洲のオンキヨーショールーム「Gibson Brands Showroom TOKYO」で試聴することができる。

【Gibson Brands Showroom TOKYO】
住所:東京都中央区八重洲2-3-12 オンキヨー八重洲ビル1F・2F
営業時間:12:00-19:00
定休日:月曜・指定休業日

【製品についてのお問い合わせ】
電話:050-3161-9555(オンキヨーオーディオコールセンター)

文/印南敦史

 

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