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2月19日、大河ドラマ『麒麟がくる』に登場する新キャスト4名が発表された。
『サライ.jp』取材班が注目するのは、実力派俳優・本郷奏多がキャスティングされた関白・近衛前久(このえ・さきひさ)だ。

戦国の破天荒貴族が『麒麟がくる』に登場(演・本郷奏多)。

戦国の破天荒貴族が『麒麟がくる』に登場(演・本郷奏多)。

 

* * *

ライターI(以下I):2月の段階で、近衛前久のキャスティングが発表されました。

編集者A(以下A):はい。近衛前久は、足利義輝(演・向井理)とは従兄弟の関係で、五摂家筆頭の由緒正しい貴族の公達です。NHKの広報資料にはこう書かれています。〈若き関白。その類まれなる行動力で、公家でありながら自ら政治に介入する、変わり種の貴族(以下略)〉・・・・・・。

I:表現が弱いって思ってますよね?

A:そうですね。こんな破天荒で変わり者でめちゃくちゃな人生を送った貴族はめったにいません。94年に刊行された中公新書のタイトルが『流浪の戦国貴族 近衛前久』なくらいですから。まず、現役関白として初めて関東に下向します。何よりも先例を重視する公家にあってとんでもない、ありえない行動です。

I:上杉謙信とは血書の誓詞を交換した間柄なんですよね。

A:謙信の関東平定作戦に従軍したってくらいですから、相当な変わり者です。『麒麟がくる』では、旅芸人一座の女座長・伊呂波太夫(いろはだゆう)の弟分の設定だといいますから、破天荒なキャラになるのではないですかね? そこは大いに期待しています。

I:後には、織田信長とも意気投合しちゃいますよね。

A:鷹狩りという共通の楽しみがあったらしいです。しかし、信長は斎藤道三との絆があり、徳川家康とも長い同盟関係を結んで、近衛前久とも馬が合う。人間関係のツボがわからんですね。信長と前久は本当に親しかったようで、信長の武田攻めの際には、前久も信長とともに甲斐まで行っています。普通じゃないですよね。

I:地方で土着して武士化した公家はほかにもいますが、前久は本当に特殊ですよね。この人を主人公にした大河ドラマがあってもいいくらいの破天荒なキャラクター。鹿児島まで行って島津氏とも交流がありますし、意外といいドラマになるかも・・・・。『麒麟がくる』でいうと、光秀とも親しい関係ですからね。本能寺の変では黒幕説もささやかれています。

A:「朝廷黒幕説」などですね。安易な黒幕説には賛成できませんが、前久が本能寺の変発生後に出家して京を出奔したのは事実。変の数日後に酒宴を開いていますし。出家した理由についてはさまざまな説がありますが、場合によっては、『麒麟がくる』でも本能寺の変に向けてのストーリーに濃厚に絡んでくる可能性もあるわけです。

I:疑わしいといえば疑わしいですし。どういう解釈でくるか楽しみですね。前久の出番が多くなると面白いのですが。その前久を演じるのが本郷奏多。映画『キングダム』では、始皇帝の弟・成蟜(せいきょう)を演じていました。

A:破天荒で変わり者とはいえ、前久もしょせんは五摂家筆頭近衛家の当主。公家特有のいやらしさは残していますからね。成蟜っぽさを出しながら演じてもいいと思いますよ。

I:初登場は5月以降ですかね。待ち遠しいですね。

左から柴田勝家(演・安藤政信)、明智左馬助(演・間宮祥太郎)、明智光秀(演・長谷川博己)、朝倉義景(演・ユースケ・サンタマリア)

左から柴田勝家(演・安藤政信)、明智左馬助(演・間宮祥太郎)、明智光秀(演・長谷川博己)、朝倉義景(演・ユースケ・サンタマリア)

●ライターI 月刊『サライ』ライター。2020年2月号の明智光秀特集の取材を担当。猫が好き。

●編集者A 月刊『サライ』編集者。歴史作家・安部龍太郎氏の「半島をゆく」を担当。初めて通しで視聴した大河ドラマは『草燃える』(79年)。NHKオンデマンドで過去の大河ドラマを夜中に視聴するのが楽しみ。編集を担当した『明智光秀伝 本能寺の変に至る派閥力学』も好評発売中。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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