文/堀けいこ
映画で、ラジオで、喫茶店で……。サライ世代は、長い時間をかけて、様々なシチュエーションで心躍る音楽と出会ってきた。その中に、ボサノヴァとの出会いもあったはず。
1950年代中頃にブラジルで生まれたボサノヴァは、60年代に入ると、アメリカをはじめ世界中で流行し始める。次々に名曲が生まれ、様々なアーティストによるボサノヴァ・レコードが発売された。
その中に、1967年に出た『シナトラ&ジョビン』というアルバムがある。伝説のシンガー、フランク・シナトラと、ボサノヴァを世界に広めた立役者の一人、アントニオ・カルロス・ジョビンの共演による史上名高いコラボの名盤だ。
その『シナトラ&ジョビン』へのリスペクトを込めて、発売から50年経った昨年、新たな息吹きを吹き込む形で蘇らせたのが、ジャズ・ギタリスト、ジョン・ピザレリが発表したアルバム『シナトラ&ジョビン・アット・フィフティ』。
名ギタリスト、バッキー・ピザレリの息子であり、自身ギタリストとして40年近いキャリアをもつジョン・ピザレリは、父親譲りの7弦ギターを自在に操ると同時に、甘い歌声も聴かせる弾き語りの名手でもある。だからこその好企画として、『シナトラ&ジョビン・アット・フィフティ』は、すでに大きな話題になっている。
その新作を携えて、ジョン・ピザレリが、5年ぶりにブルーノート東京のステージに立つ。
これまで、30枚近くのソロ・アルバムを発表するだけでなく、ブロードウェイ・ミュージカルへの出演や映画音楽に携わるなど、幅広く活躍するジョン・ピザレリだが、そんな彼の音楽人生において、フランク・シナトラとアントニオ・カルロス・ジョビンには大きな影響を受けたという。
その成果を結実させたのが『シナトラ&ジョビン・アット・フィフティ』であり、今回のブルーノート東京のステージでは、そんなふたりへの敬愛が華麗に披露されることになっている。
本公演の聴きどころについて、ブルーノート東京の広報・原澤美穂さんに聞いた。
「ジョン・ピザレリは、洗練されたギターと温かな歌声、そして父親譲りの笑顔と親しみやすく穏やかな人柄で、日本でも多くのファンを魅了し続けて来ました。5年ぶりの登場となる今回の公演は、熱心な音楽ファンの方にも、ライブは久しぶりという方にも、自信を持ってお勧めできます!」
「新作以外にも、これまで発表してきたアルバムからいろいろ演奏したい」と、公演を前にしたブルーノート東京のインタビューで答えていたピザレリ。彼のセレクトによるボサノヴァの名曲や新旧の佳曲が歌われるステージに、期待が募るばかりである。
【ライブスケジュール】
2018年1月26日(金)、27日(土)
会場:ブルーノート東京
東京都港区南青山6-3-16
電話:03-5485-0088
時間、料金などの詳細は以下を参照
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/john-pizzarelli/
文/堀けいこ