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【インタビュー】松本零士さん(漫画家)「知る人ぞ知るクラシック漫画を描き続けたあの頃」

松本零士

小学館のFM放送番組表を中心にしたオーディオと音楽の情報誌『FMレコパル』(1974年創刊)に、音楽家の生き方を活写する「レコパル・ライブコミック」というコーナーがあった。

1974年から1986年まで、この「レコパル・ライブコミック」に、松本零士氏は全部で22の作品を寄稿。一度1979年に『レコパル・ライブコミック集 不滅のアレグレット』として単行本化されたが、今回、その時に未収録だったクラシック音楽関係の9作を新たに収録して単行本化したのが今回の『松本零士 不滅のアレグレット〈完全版〉』(https://www.shogakukan.co.jp/books/09943034)である。松本漫画ファンの間でも知る人ぞ知る激レアな音楽漫画を描き続けた当時を、ご本人に振り返ってもらった。

「まずこの本のタイトルともなっている『不滅のアレグレット』のカバー絵を見てほしいんです。古びたレコード。これ、本物なんです。本物の割れた姿を描いているんです。

直径は12インチ(約30cm)のSP盤で、虫の糞(シェラック)でできていました。古びたレコードは、終戦直後のごみ捨て場に落ちていたのを、私が拾ってきて、手回しの蓄音機にかけて音楽を楽しんだのです。小学生の頃でした。

SP盤のレコードは最初は泥だらけで、時には、大きな傷が入りひび割れてもいました。しかし、これを家で丹念に水洗いして乾かすと、見違えるようにいい音で鳴ったのです。うれしくてねえ。

同じ頃に、箱に入った立派なベートーベンの交響曲全集を友達からもらいました。

お兄さんが南方戦線で戦死したので、その形見として「これをおまえにやる」と。ベートーベンの交響曲第1番から第9番までを、日がな一日かけていたのを思い出します。このレコードの中に、後に描いたベートーベンの交響曲第7番第2楽章「不滅のアレグレット」も交じっていました。

蓄音機はサウンドボックスといって、金属の針をSP盤にこすりつけて音を出し、サウンドボックスがその音を増幅し、さらに蓄音機に付いているラッパの部分で、音を大きくして聴きます。

サウンドボックスの部分というのは着脱できるようになっていて、科学マニアでもあった私は、サウンドボックスをラジオにつないでみたんです。

こうするとラジオのスピーカーから音楽が流れ出しました。

そのうちに、技術も進んできて、蓄音機から電気蓄音機(通称“電蓄”)になるんですが、SP盤をかけると、針飛びもひどくて、音楽がそのたびに途切れるんです。これを防ぐために考えたのが、8ページの口絵にあるレコードプレーヤーのピックアップのところに、消しゴムを巻き付けるという方法です。多少針飛びしなくなるんですよ。トーンアームのところが、消しゴムを付けたことで、重くなりますから。

私は、ごみ捨て場で拾ったり、友達にもらったり、古書店でも古いレコードを安くみつけて買ったりもしました。それを聴きながら、机に一日中座って漫画を描く日々が15歳から始まったのです。

松本零士

(C)松本零士

ライブコミックには、18歳から22、23歳まで住んでいた東京・本郷の下宿、山越館もよく登場します。『シャルル・ミュンシュ SP78回転の青春』など、実際に私が住んでいた四畳半の下宿がモデルなんですよ。下宿の大家さんだった山田ますばあちゃんも登場していますね。私は、あの四畳半でずっと、レコードでクラシックを聴きながら、漫画を描きつづけていたんですよ。

久しぶりに昔描いたライブコミックを眺めていますとね、不思議なことがいっぱいあるんです。『未完成 想像におけるわがイメージのシューベルト』に出てくるヨーロッパの古い屋根瓦、『名器ニコロ・アマティとジャン・マリー・ルクレールの生涯』に出てくるヨーロッパの街の石畳や、『消えない惑星〜ホルスト〜』に出てくる暖炉などなど。

描いていた当時は、まだ私はヨーロッパに行ったこともなくて、少しの資料と、多くは私の想像でペンを走らせて描いておりました。

ところが、後になって実際にヨーロッパへ行くことが多くなると、まさに、ヨーロッパならではの、土色のしっくい壁の古い家とか、日本とはずいぶんと違う朽ちかけた屋根の瓦、すり減ってしまったような石を並べた歩道など、私がライブコミックで描いたのとそっくりの光景だったのに驚きました」

松本零士

(C)松本零士

松本零士

(C)松本零士

――ライブコミックは音楽の話ですから、ディテールが欠かせないわけですね。それが音になって伝わるんですね。

「そうです。なんだか初めて訪れたヨーロッパの土地なのに、懐かしさを感じたのです。

ヨーロッパに行ってみるとわかるのですが、ヨーロッパの街というのは色彩が統一されていますね。城内は現代的に整備されていても、外壁をいじってはいかん。全部昔のままなんです。電柱もなく日本みたいな余計な照明もなく、薄暗い街路灯があるだけです。

建屋の一軒一軒まで自分が描いたのと同じ光景に出くわし、そして街を歩いているうちに頭のなかに、クラシック音楽が流れてきたんですよ。

これはもしかすると、私の中に流れていたDNA(遺伝子)かもしれないなと、ふとそう思うようになりました」

――DNAとは具体的にはどういうことでしょう?

「私の父は陸軍のパイロットで、操縦を習うために戦前、ヨーロッパ、特にフランスやイタリアの飛行学校に入学していて、ヨーロッパのことを見聞きしていました。

DNAに父の体験、父の見たヨーロッパの風景が残っているから、描く人間、つまり私の遺伝子が作動するんですね。
ヨーロッパの街並みのディテールまで自動的に描けたんだと思うようになりました。

私は人間の遺伝子というのは恐ろしいものだと思っています。私の先祖は四国の宇和島藩だったのですが、私が宇和島城の脇を通ると、それまで来たこともなかったのに、なぜか懐かしいと感じたことがあったんです。先祖たちから伝わった遺伝子の記憶が、きっと作動するんだろうと思います」

――登場するアーチストの中には第2次世界大戦での苦難を乗り越えたというエピソードも多く、胸を打ちますね。

「はい。私も同じ戦争の体験をしているから、相通じるところが多いのです。(現在の)愛媛県大洲市に疎開しているときに、アメリカのB29が爆撃しに大都市へと飛んでいくのを目撃したし、実際にグラマンの機銃掃射まで受けた体験もあります。戦争の記憶はいっぱいあるんです。ですから、ライブコミックに描いたアーチストの弾く音楽の背景に、戦争があった、戦争の痛みがあった、そのことが自分でもよくわかるんです」

――戦時中、一人ドイツにとどまってナチスと戦うフルトベングラー(「不滅のアレグレット」)とか、フランスとドイツの国境地帯アルザスに生を受けた名指揮者シャルル・ミュンシュがナチスのための演奏を断固として拒絶する「シャルル・ミュンシュ SP78回転の青春」など、大変ドラマチックな話ですね。

「漫画家は頭の中で考えて、心で描くわけです。音楽家は心で演奏するわけでしょう。音楽家が音にするのと、漫画家が絵にするのはまったく同じで、耳で聴かせるか、それとも、絵で見せるかの違いがあるだけなんですよ。

ライブコミックの作品の多くが戦争中の音楽家の実話を元に描かれていますが、私の感情のなかに戦争の体験が常に入っているんです。戦争は人が死ぬわけですが、人は生きるために生まれてくるのであり、死ぬために生まれてくる者はいないのです。だから殺してはいかんのです。死んではならん。歯を食いしばって生きろという思いを、ライブコミックにもこめて描いたと思います」

取材・文/野村和寿 撮影/向井 渉

単行本未収録作品9点+カラヤンほかクラシック名演CDつき

松本零士 不滅のアレグレット〈完全版〉
松本零士 不滅のアレグレット〈完全版〉

価格 本体2800円+税
発売日 2018/12/5
判型/ページ B5判/400頁
ISBN 9784099430344
https://www.shogakukan.co.jp/books/09943034

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