大河、朝ドラ、紅白司会を務めたふたり
I:そして三田佳子さんは、1989年、1990年に2度にわたって紅白歌合戦の紅組司会も務めています。大河ドラマの主役を演じた女性演者が、紅白歌合戦の司会を務めたり、朝の連続テレビ小説(以下・朝ドラ)の主役を務めたりするのは、三田さんの紅白司会を嚆矢とします。
A:2002年の『利家とまつ』で主役のまつを演じた松嶋菜々子さんは、1996年の朝ドラ『ひまわり』に主演、弁護士を目指す女性を演じていました。朝ドラ主演と大河ドラマ主演を果たした初めての女性演者となりました。2023年の『どうする家康』では家康生母の於大の方役で久しぶりに大河ドラマに出演されましたね。
I:2006年の『功名が辻』で山内一豊(演・上川隆也)の妻千代を演じた仲間由紀恵さんは3度目の大河ドラマ出演で主役を演じることになりました。2005年から2009年にかけて4度紅白歌合戦の司会を務めましたが、以降、大河ドラマ出演がないのはさびしい限りです。
幕末大河で最高視聴率の『篤姫』
A:2008年に『篤姫』で主役を演じた宮崎あおいさんは、すでに2006年の朝ドラ『純情きらり』で主役のジャズピアニストを目指す女性を演じていました。『篤姫』は、視聴率を獲得しづらい幕末ものの中で、平均視聴率が最高の24.5%という金字塔を達成しています。
I:大河ドラマと朝ドラで主役を演じたふたりめの女性演者になるのですね。
A:そして、2011年、50作目の大河ドラマ『江 姫たちの戦国』で主役の江を演じたのが上野樹里さんです。上野さんにとって初めての大河ドラマでの主演となりました。叔父の織田信長(演・豊川悦司)とのやり取り、特に、本能寺の変の際に、自害しようとする信長の前に、お江の幻影が登場した場面などは話題になりました。
I:2013年の『八重の桜』で主役の新島八重を演じたのが綾瀬はるかさん。同年から2025年までの間に四たび紅白歌合戦の司会を務めています。直近の2025年の紅白では今田美桜さん、有吉弘行さんとともに司会を務めたばかりです。
A:綾瀬はるかさんで特筆されるのは、会津若松市で開催される「会津まつり」恒例の「会津藩公行列」に『八重の桜』放映翌年の2014年からコロナ禍で中止、縮小開催だった2020年、2021年を除いて毎年参加していることです。自らが演じた新島八重ゆかりの会津若松市とのご縁を大切に育む取り組みに感動ですね。
I:綾瀬さんは昨年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では九郎助稲荷を演じています。2015年に長州藩で松下村塾を開いていた吉田松陰の妹文役で主役を演じた井上真央さんは、2011年の朝ドラ『おひさま』で主役の須藤陽子を演じ、さらに同じ2011年には紅白の司会を務めていたため、史上初めて、大河ドラマ、朝ドラ、紅白司会という「NHK三大番組」を制覇するという偉業を成し遂げました。
A:2017年の『おんな城主 直虎』で主役を演じたのは柴咲コウさん。史料も少ない人物ということで、なかなかに難しい役どころでしたが、見事に一年間演じ切りました。
I:2024年の『光る君へ』で主役の紫式部(まひろ)を演じたのが吉高由里子さんです。2014年の朝ドラ『花子とアン』で主人公の花子を演じ、同年の紅白で司会を務めたことで、井上真央さん以来、ふたりめとなる、大河ドラマ主演、朝ドラ主演、紅白司会という偉業を成し遂げたことになります。
A:キリっとした演技が今も印象に残っています。大河ドラマはそれ以来ですかね。1981年の『おんな太閤記』以降の大河ドラマでお市役を演じた主な演者を挙げてみましょう。
『おんな太閤記』(1981年) 夏目雅子
『徳川家康』(1983年) 真野あずさ
『信長 KING OF ZIPANGU』(1992年) 鷲尾いさ子
『秀吉』(1996年) 頼近美津子
『功名が辻』(2006年) 大地真央
『江 姫たちの戦国』(2011年) 鈴木保奈美
『軍師官兵衛』(2014年) 内田恭子
『どうする家康』(2023) 北川景子
その時々で旬な演者がキャスティングされ、テレビ局のアナウンサー出身の方も複数登場しています。
A:信長の妹ということで、錚々たる方々が演じているのですね。今年は、宮崎あおいさんが新たなお市を見せてくれそうです。
※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」。
●編集者A:書籍編集者。かつて編集した『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり











