『群鶴図屏風』昭和22年(1947)。金沢出身の絵師・相川松瑞(1894~1969)による作品。金地に8羽の鶴が描かれる。

金箔職人、安江孝明(1898~1997)が職人としての誇りとその証を後世に伝えたいと設立した、国内で唯一金箔に特化した美術館。のちに金沢市に寄贈され、貴重な製造道具や美術工芸品などが展示されている。

来館者を迎えるのは600枚の金箔を使ったドーム(「金沢市立安江金箔工芸館」紹介写真参照)。その輝きに目を見張りながら2階の展示室へ向かう。常設展示室では金沢における金箔づくりの歴史を辿ることができる。かつてはすべて手作業で、澄(ずみ)・箔・紙仕込みのそれぞれの工程を根気よく行なっていたことや、箔打紙は兵庫県の名塩産などの手漉き和紙を主に使用していること、金や金箔の特性についてのクイズもあり、楽しくわかりやすい展示となっている。

延金を1000分の1の厚さにまで打ち延ばす澄工程。工程ごとに荒金、小重、大重、上澄と呼び名が変わり箔の工程に引き継がれる。

「明治になり江戸での箔打ちは衰退し、戦後には京都での箔打ちも途絶えました。金沢では職人たちの情熱や心意気により、伝統的な技法が守られ、金沢を箔の街にしたのです」と、館長の川上明孝さんは話す。常時20~30点ほどの展示では、金屏風や金彩(きんだみ)を施した陶磁器、加賀蒔絵 、加賀象嵌、荘厳な金沢仏壇など、絢爛豪華な作品が並ぶ。これらには確かに金箔職人の魂が宿っている。

金沢市立安江金箔工芸館

平成22年(2010)、茶屋街で賑にぎわう東山に移転。1階には多目的展示ホールがある。

石川県金沢市東山1-3-10
電話:076・251・8950
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:火曜(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間
交通:金沢駅から金沢周遊バス右回りで約10分、橋場町下車後徒歩約3分

※この記事は『サライ』本誌2024年6月号より転載しました。

『サライ』2024年6月号大特集は「この国は『黄金』でできている」。

 

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