「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて10年。国立科学博物館の特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」は和食を科学してその有用性を紹介し、また歴史的な観点から和食がどのように発展してきたかを紹介する展覧会です。(10月28日~2024年2月25日)

奈良時代の貴族の宴会料理の再現模型 奥村彪生監修 奈良文化財研究所蔵

本展の見どころを、朝日新聞社の本展覧会広報ご担当、清井理宇さんにうかがいました。

「2020年、新型コロナウイルスの影響により、やむなく中止になった特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」が、3年の時を経て、和食のユネスコ無形文化遺産登録10周年となる2023年に東京・国立科学博物館で開催されます。世界中で注目の高まる和食を科学、歴史などの多角的な視点から紹介します。

マグロの実物大模型(2020年の展示風景)国立科学博物館蔵

展示は食の基本となる水から始まり、キノコ、山菜、野菜、魚介、海藻といった世界でも有数の生物多様性を誇る日本の食材を、剝製や標本などの資料で紹介するほか、人々の食への飽くなき挑戦によって生み出された発酵の技術や出汁についても解説します。

バカマツタケのレプリカ 国立科学博物館蔵

後半では、縄文時代の出土品から、卑弥呼や徳川家康など歴史上の偉人たちが食した料理、明治時代の洋食、そして現代に至るまで、人々の知恵やおもてなしの心、海外との交流を通じて発展してきた和食の歴史を紐解きます。

織田信長が徳川家康をもてなした本膳料理の再現模型
奥村彪生監修 御食国若狭おばま食文化館蔵
明治天皇の午餐会(1887(明治20)年5月13日)の料理の再現模型
明治記念館蔵

そのほか、「これって和食?Yes or No!」というアンケートを展覧会公式サイトで実施し、会場でも結果を紹介します。カレーやラーメン、照り焼きバーガーなどは和食だと思いますか? 身近なようで意外と知らない和食の魅力が満載の展覧会です」

料理屋番付 江戸時代後期 東京家政学院大学附属図書館大江文庫蔵

世界に誇る和食文化を一から学ぶことのできる展覧会です。ぜひ会場にお運びください。

【開催要項】
特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
会期: 2023年10月28日(土)〜2024年2月25日(日)
※会期等は変更になる場合があります。
会場:  国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
電話:050・5541・8600 (ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://washoku2023.exhibit.jp
開館時間:9時〜17時(最終入場時間 16時30分)
休館日:月曜日、年末年始(12月28日~1月1日)、1月9日(火)、2月13日(火)。ただし、12月25日(月)、1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)、2月19日(月)は開館。
料金:展覧会公式サイト参照
アクセス:展覧会公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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