それでは、正解を発表します!
【クイズ1】
東海道を旅する人々にとって、旅先の名物は楽しみのひとつでした。とくに甘い餅は、腹持ちするうえに疲労回復に効果があるとあって、人気の品です。では、次の宿場と名物の餅の組み合わせで、間違っているのはどれでしょう?
(い)大磯宿―西行餅
(ろ)府中宿―安倍川餅
(は)日坂宿―日永餅
(に)草津宿―姥が餅
正解(は)
日永餅は四日市宿の名物で、日坂宿のものではない。よって(は)が正解。
【クイズ2】
下の図は、「諸国名物見立てひやうばん(評判)」という番付の一部です。西の大関は「土佐 鰹節」ですが、東の大関は次のうち、どれでしょう? 北前船で運ばれた名産品です。
(い)陸奥―松前昆布
(ろ)陸奥―南部鉄瓶
(は)出羽―蠟
(に)越中―薬
正解(い)
「諸国名物見立てひやうばん」は「見立番付」と呼ばれている摺物で、相撲番付に見立てたものである。「東の方」は東日本の名産品を、「西の方」は西日本の名産品を並べる。
天保11年(1840)12月の記をもつ「諸国産物大数望」も、大関が「陸奥 松前昆布」になっているため、松前昆布は定番の品目であったことがわかる。
【クイズ3】
小田原宿の名物は「外郎」で、歌舞伎十八番の代表的な演目である「外郎売り」にも取り上げられています。さて、この「外郎」とは、本来どんなものだったでしょう?
(い)甘いお菓子
(ろ)かまぼこ
(は)薬
(に)提灯
正解(は)
外郎とは、室町時代、外郎延祐によって中国からもたらされた薬で、正式名は透頂香。消化器疾患、痰切り、口臭消しなどに用いられた。
小田原の外郎は、北条氏の御用商人となった外郎氏が製造販売したもの。東海道筋で道中薬として人気を得た。
現在、名物とされている「ういろう」は、古くはういろう餅といい、薬の外郎の口直しとされたもの。
【クイズ4】
次の歌川広重画「名所江戸百景墨田河橋場の渡かわら竈」に描かれた煙は、この地域の名産品であったものを焼く際のものです。瓦や七輪のほか、植木鉢や土人形などおもに庶民の日用品がつくられましたが、この焼物とは何でしょう?
(い)浅草焼
(ろ)今戸焼
(は)人形焼
(に)本所焼
正解(ろ)
広重が描いた煙は「今戸焼」の煙である。この焼物は、天正年間(1573~92)の創始といわれ、貞享年間(1684~88)に湯をわかす茶道具の土風炉や灯心皿、火鉢などが焼かれ、名を知られるようになる。おもに日用雑器や瓦を生産し、招き猫や稲荷の狐などの今戸焼人形でも知られた。
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いかがでしたか? 日本列島の各地でそれぞれの文化が発展し、多彩な名産品が生み出されていたんですね!
今回の出題は全て1級と2級からの出題。難易度は少し高めでした。全問解けた方は自信を持ってくださいね!
※問題の出典:『第4回 江戸検問題公式解説集』『第3回江戸文化歴史検定(2008年度)江戸検出題問題公式解説集』
取材・文/オノハルコ(晴レノ日スタヂオ)