さて、では解答をお教えしましょう!

【クイズ1】
庶民の住宅の典型は、落語の舞台としても一般的な「九尺二間の裏長屋」です。こうした裏長屋の家賃を、坪あたり1か月で銭100文とすると、1年分(閏年ではない)の店賃はいくらになるでしょう?
(い)2400文
(ろ)3200文
(は)3600文
(に)4800文

正解:(は)
解説:九尺二間は間口が9尺(約2.7m)、奥行きが2間(約3.6m)、広さは3坪弱(約9.9㎡)。つまり、店賃は100文×3坪×12か月で、3600文が正解。

【クイズ2】
長屋の共同便所に溜まった糞尿は、貴重な肥料として近郊の農民が買い求めました。では、その代金は誰の収入となったのでしょう?
(い)名主
(ろ)地主
(は)家守
(に)長屋の住人

正解:(は)
解説:長屋の共同便所は良質な肥料(下肥)の大供給源で、屎尿代金は家守(家主)の収入となった。

【クイズ3】
江戸の町では、町の維持や運営に必要な経費(町入用)が各町ごとに負担されました。では、この町入用を負担したのは誰でしょう?
(い)町屋敷を所持する地主
(ろ)表通りに店を構える借地人
(は)町屋敷の管理人
(に)裏店の人々を含む町の構成員

正解:(い)
解説:町方は町奉行以下、町年寄・名主・月行事という構造で支配されていた。この体制の下で、各町の地主は所有する町屋敷の間口などに応じて町入用を負担したという。

【クイズ4】
江戸時代、商家が金銭出納に使った帳簿を何というでしょう?
(い)犯科帳
(ろ)大福帳
(は)人別帳
(に)手習帳

正解:(ろ)
解説:大福帳は日付ごとに得意先との取引状況を記録したもの。重要な顧客情報が記載されていたため、主人や番頭だけが取り扱う決まりの店もあった。

いかがでしたか? 全問正解した方は、江戸時代にタイムスリップしてもやりくり上手に暮らしていけるかも?

※問題の出典:『江戸吟味問答控 第1回江戸文化歴史検定 出題問題公式解説集』

取材・文/オノハルコ(晴レノ日スタヂオ)

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