正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいてる」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれませんね。
「脳トレ漢字」第29回目は、「捏造」をご紹介します。「捏造写真」、「文書の捏造」といった形で目にすることが多い言葉ですよね。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「捏造」はなんと読む?
「捏造」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「ねつぞう」とも読めますが、正式な読み方はというと……
正解は……
「でつぞう」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「事実でないことを事実のようにこしらえること、でっち上げること」と説明されています。一般的な読み方の「ねつぞう」は慣用読みであって、正式な読み方ではありません。しかしその誤読が定着して、今では「ねつぞう」と読む方が一般的になりました。
「ねつぞう」という読み方が間違っているわけではありませんが、「でつぞう」という読み方を知識として知っておくといいでしょう。
■「捏造」の漢字の由来とは?
「捏造」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「捏」は「でっちあげること」を、「造」は「つくる」ことを意味する漢字です。このことから「捏造」は、「ありもしないことを、事実であるかのようにつくりあげること」を指す言葉だと言えます。
ちなみに、「でっちあげる」を漢字で書くと「捏ち上げる」です。「捏」の字が同じであることを覚えておけば、「捏造」を「でつぞう」と読むことが理解しやすいかもしれません。
■誤用から一般化した読み方 「輸入」は元々「ゆにゅう」じゃなかった? !
「ねつぞう」が誤読から一般化した読み方であることをご紹介しました。このように間違った読み方が定着して、今では当たり前に使われている言葉は多々あります。
その代表例が「輸入」です。当然「ゆにゅう」と読みますが……
元々の読み方は……
「しゅにゅう」でした。
「輸」とよく似た「諭(ゆ)」の影響で「ゆにゅう」と間違って読まれるようになり、明治時代以降にはこちらの読み方が定着したと言われています。
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いかがでしたか? 今回の「捏造」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 当たり前のように使っている漢字を見つめ直すと、意外な面白い発見ができますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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