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取材・文/坂口鈴香

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真

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コロナ禍の日々。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、いまだ家に籠りっきりという高齢の親は多い。運動をしようとしきりに呼びかけられているが、足元が怪しかったり、腰痛を持っていたりする高齢者にとっては、運動を毎日続けるのは簡単なことではない。

そこで、今回は簡単ツボ押しで、家籠りによる身体の不調を改善する方法を、鍼灸師の畑中豊さんに伺った。

◆そもそもツボって何?

別名を経穴といいます。東洋医学では人の体の中には流れがあり、体の中と外を滞りなく巡ることで健康な体を維持していると考えます。この流れが体の面に出ているところを経路といい、その中でも特に反応の出るところを経穴(ツボ)といいます。

なんらかの不調が起こると、体の流れが悪くなり、その反応は全身のツボにあらわれます。ツボは体の治療点であると同時に、診療点でもあるのです。

ですから、ツボを刺激することで全身の流れを調和させることができ、体調を管理できるのです。

◆肩こり

ずっと家にこもっていて、体を動かさないでいるとさまざまな体の不調があらわれます。その代表的なものが肩こりです。

肩こりに効くツボ

「肩井」(けんせい):乳首の真上の線で、肩の一番盛り上がっているところで、押して痛みがあるところ肩井

 

「肩外愈」(けんがいゆ):肩甲骨の内側上の骨際肩外愈

 

「手三里」(てさんり):肘を曲げてできる皺の外側から指3本分親指の方へ行ったところ「手三里」(てさんり)

ツボ押しのやり方

「肩井」と「肩外愈」:右肩は左手で、左肩は右手で押します。

まぽさんによる写真ACからの写真

まぽさんによる写真ACからの写真

体が硬く、手が上がらない人は、無理しない範囲で行いましょう。
凝りが強い人は、押しながら、肩や首をゆっくりと回すと効果的です。

「手三里」:親指でゆっくり押しましょう。
その際、押されている方の手を閉じたり開いたりすると効果的です。

家族や夫婦で押す場合

「肩井」や「肩外愈」:相手に椅子に座ってもらい、その後ろに立ちます。両方の親指を使って、上からゆっくりと心地よい圧で押します。
あまり難しいことを考えずに、押して気持ちよいところを探してください。

まぽさんによる写真ACからの写真

まぽさんによる写真ACからの写真

「手三里」:相手と向き合って座り、相手と握手します。空いた方の手で、外側からツボの部分をゆっくり押していきます。
心地よい程度の圧で押しましょう。

基本的には、自分も相手も押す(押される)ときに息を吐き、力を抜くときに行きを吐きます。2人で行うときには、相手と呼吸を合わせることでさらに効果が出ます。

◆目の疲れ

一日、することがなくて、じっとテレビを見続けているという高齢者も多いのではないでしょうか。子世代でも、スマホを見る時間が増えたり、テレワークで仕事環境があまり整ってないなか、パソコンの画面を見つめ続けたりして、目が疲れている人には、こんなツボがあります。

目の疲れに効くツボ

「晴明」(せいめい):目の内側のへり「晴明」(せいめい)

 

「攅竹」(さんちく):眉毛の一番内側「攅竹」(さんちく)

 

「承泣」(しょうきゅう):黒目の真下、骨の上「承泣」(しょうきゅう)

ツボ押しのやり方

「晴明」:親指と人差し指で、目頭から眉に向かって押します。晴明

 

「攅竹」:両手の親指で眉頭から外側に向かって押します。晴明

「承泣」:両手の人差し指をツボに当て、内側にクルクル回します。承泣

目の周りのマッサージもおすすめ

一人で押す場合には、ツボのほかに目の周りを一周、心地よい強さで順に押すとよいでしょう。

・眉毛の上を内から外に押します。
・こめかみの凝っているところをゲンコツで軽くクルクルと押します。
・疲れ目は、後頭部が張っている場合もあるので、後頭部も押すとさらに効果的です。

家族や夫婦で押す場合

仰向けに寝てもらい、相手の頭の上側に座ります。
目はデリケートな部分なので、決して力を入れないでください。ゆっくり指の腹で、やわらかく押しましょう。

まぽさんによる写真ACからの写真

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◆ツボ押しの効果を高めるには

1人でも、親子や夫婦でもできるツボ押しとマッサージを紹介しましたが、会話をすることで効果はさらに高まります。

会話によって、相手に強さや心地よさを確かめながら行うことで、単なるスキンシップ以上の効果を生みます。「今日はどんな一日だった?」「いつもありがとう」など、お互いに感謝を伝えるのも、効果的です。

また介護現場などでも、触れることによる精神安定効果は認められていて、「タッチケア」として取り入れている施設もあります。

これからは、人と一定の距離を取るのが新しい生活様式になっていきますが、身近に家族がいらっしゃるようであれば、家族によるタッチケアでコロナ禍を乗り切りましょう。

畑中 豊 先生 ゆたか鍼灸治療院院長談/畑中 豊 先生(ゆたか鍼灸治療院院長)
一人ひとりに合わせた丁寧で徹底的な問診と説明を行い、治療だけでなくストレッチやトレーニング指導により痛みのない体づくりに取り組んでいる。

 
取材・文/坂口鈴香
終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終活ライター”。訪問した施設は100か所以上。20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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