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世界的に見ると、白内障による失明率は、他の眼病による失明率と比べても1位になっています。それほどポピュラーな病気ではありますが、国内での白内障による失明率は3%程度と非常に低く、その3%も、放置した事による場合が多いとされています。きちんと眼科を受診することで、失明することはまずなさそうです。そんな身近な疾患・白内障について全国のケアマネジャー9万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)などを展開する、株式会社インターネットインフィニティーが要介護高齢者の医薬品独自調査サービスの調査を実施しました。ケアマネジャーは白内障についてどのように捉えているのでしょうか。実情を見ていきましょう。

■9割以上のケアマネジャーが担当した利用者の中で白内障手術を受けたことがある人がいる!

今までに担当した利用者のなかで、白内障手術を受けたことがある利用者がいるかと質問したところ、91.0%のケアマネジャーは「いる」と回答しました。ケアマネジャーにとって、白内障は身近な疾患であると考えられます。

さらに、ケアマネジャーに、白内障の疑いが強い利用者に眼科の受診を勧めているか聞いたところ、「必ず勧めている」(18.1%)「ほとんどの場合勧めている」(40.7%)と回答した人は約6割にのぼりました。「時々勧めている」(29.3%)と回答した人を含めると、実に約9割のケアマネジャーが白内障疑いにて眼科受診を勧めていることが分かりました。逆に「あまり勧めていない」のは9.8%、「全く勧めていない」のは2.1%でした。

■白内障の疑いが強い利用者に眼科受診を勧める理由は?

なぜケアマネジャーの多くが眼科受診を勧めているのか、その理由の最たるものは「見え方が改善するから」(80.4%)でした。次いで「転倒予防に効果的だから」(59.0%)、「QOLの改善になるから」(57.3%)、「身体活動性の低下を防ぐから」(50.7%)というものでした。「認知症の発症・進行抑制になるから」と答えた人も38.1%にのぼりました。逆に、白内障の改善とは直接的な関係が考えにくい設問である「睡眠の質を向上させるから」は8.6%にとどまりました。このことから、ケアマネジャーは白内障治療のメリットをきちんと理解している人が多く、見え方の改善だけでなく、転倒予防やQOL向上、認知機能の維持などにも期待をしていると考えられます。

実際に、ケアマネジャーは白内障手術を受けた利用者と接する中で、下記のような感想を聞いたと回答しています。

・「ひ孫の顔がこんなにめんこいと分かった。」「見えやすくなって転倒が減った。」「『空が青い』と喜ばれた。」
・「よく見えるようになったとデイに楽しく通えている。」「読書等の趣味が再開でき、生活の質が大きく改善した。」
・「93歳という高齢でも以前の活発さが戻り、認知機能の改善が見られた。」「認知症だが色々なものに気づき、興味を持つようになった。」

■白内障の疑いが強くても眼科受診を勧めない理由は?

一方で、「白内障の疑いが強くても眼科受診を勧めない場合がある理由」についての質問では、ケアマネジャーが白内障治療に対して感じているリスクや社会的な要因などがあることが示唆されました。理由として多く挙げられた項目のうち、「他に優先すべき病気などがあるから」(36.9%)というのは個別の事情があるのかもしれませんが、「受診できる環境が整っていないから」(35.6%)、「経済的な理由」(26.4%)については、白内障治療を希望していても受けられていない人の存在を示唆しており、改善すべき課題であると考えられます。また、「本人に問題意識がないから」(38.1%)、「手術にリスクを伴うから」(26.4%)、「年相応の変化だと思うから」(18.6%)についても、白内障に対する理解が不足しているために、治療の機会を逃しているかもしれません。

白内障手術は眼科のなかでも安全性が高く、日帰り手術も可能な、患者負担の少ない手術ですが、ケアマネジャーは白内障手術のリスク(合併症)について過大評価や誤解があることを示唆するデータもあります。半数近くのケアマネジャーが、手術のリスクとして「見え方の悪化」(67.2%)、「視力の低下」(58.3%)、「失明の可能性」(40.9%)、「眼精疲労」(34.6%)を挙げています。また、白内障治療によって改善するはずの「認知機能の悪化」(32.2%)、「身体活動性の低下」(36.1%)を挙げたケアマネジャーも少なからずいました。

このように、ケアマネジャーは白内障を疑う利用者に対して積極的に眼科受診を勧める一方で、白内障の治療についての知識や、利用者に適切に白内障の知識を伝えるための方法についての理解は十分ではないようです。白内障は視力の問題のみならず、認知機能や活動性、転倒・事故などにも結び付く疾患であることから、ケアマネジャーへ今後の正しい知識の啓発が望まれます。

***

いかがでしたか? ケアマネジャーは、白内障手術のメリットはよくわかっていますが、白内障の治療についての知識や伝達方法については不十分なことがわかりました。「白内障かな?」と感じたら、ケアマネジャー任せにするのではなく、家族間でも知識を共有して早めの対策を講じたいですね。

■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第8回) 「白内障に関するアンケート」
期間:2019年11月22日~2019年11月25日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー
調査サンプル数:926名
調査方法:WEBアンケート

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