口内環境が健康寿命を左右する、ということをご存じだろうか。口は、食べ物の入口であるが、病気の入口にもなりうる。全身の健康を左右する「歯周病」の原因と予防法を知り、健康維持のために日常生活を見直したい。

今回は、口内を健康に保つ重要な役割を果たしている“唾液”を増やす唾液腺マッサージ】の方法をご紹介する。

*  *  *

唾液には抗菌・浄化作用があり、酸化した口内を中性に戻すなど、さまざまな緩衝作用がある。しかし、加齢や降圧剤・利尿剤など薬の服用によって、唾液の分泌が少なくなることがわかっている。歯科医の野本秀材さん(サクラパーク野本歯科院長)は、次のように指導する。

「唾液の分泌を多くするには、よく噛んで食べること。糖分のないガムもいいでしょう。唾液腺マッサージも即効性があります。また、ストレスは唾液量を減少させ、くいしばりが強くなってしまいますから、ストレスのない生活を心がけることも大切です」

それでは唾液の分泌を促す唾液腺マッサージの具体的な方法を教えていただこう。

■1:まずは唾液腺の位置を確認

■2:舌下腺への刺激

舌下腺は顎のとがった部分の内側のくぼみにある。ここに両手の親指をそろえて当て、10回くらい上方向にゆっくり押し上げる。喉のどを押さないように気をつけて行なうこと。

■3:顎下腺への刺激

顎の骨の内側のやわらかい部分にある顎下腺。ここに親指を当て、耳の下から顎の下まで、3~4か所に分け、順に押していく。押す回数の目安は、各ポイントをゆっくり5回くらいずつ。

■4:耳下腺への刺激

耳の前(上の奥歯あたり)付近にある耳下腺は、梅干しなど酸っぱい食物をイメージすると唾液が出てくる場所。ここに指数本を当て、前に向かって指全体でやさしく10回ほどなでる。

以上、唾液の分泌を促す【唾液腺マッサージ】の方法をご紹介した。

歯周病は生活習慣病。生涯の豊かな生活のために、日々、口元の自己管理を徹底したい。

【今回の案内人】野本秀材さん サクラパーク野本歯科院長。昭和31年、東京生まれ。日本口腔インプラント学会専門医。歯と口腔全体をひとつの器官として捉え、統括的な診療活動に努める。予防歯科学分野にも造詣が深い。

※この記事は『サライ』本誌2016年11月号「大人の歯磨き基本のき」より転載しました。記事内の肩書き等は取材時のものです(取材・文/大津恭子、撮影/福田栄美子、イラスト/岩井勝之)

 

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