
朝起きると指がこわばって動かしにくい。
家事やパソコン作業の途中で、指がカクンと引っかかる。
そんな「ばね指」の症状に悩んでいませんか?
実は、ばね指は手の使いすぎだけでなく、ホルモンバランスの乱れや血行不良、冷えも大きく関わっています。
そこで注目されているのが、漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」です。
今回は、ばね指とホルモンバランスの関係、そして当帰四逆加呉茱萸生姜湯の特徴やセルフケアについて解説します。
ばね指はなぜ起こる?

ばね指とは、指の腱や腱鞘(腱を包むトンネル)が炎症を起こし、指の動きがスムーズでなくなる状態です。
特に30~50代の女性では、更年期や出産前後のホルモンバランスの変化によって、血流や修復力が低下しやすくなります。
血の巡りが悪くなると炎症やこわばりが長引き、冷えが強いと筋肉や腱が硬くなります。さらに修復力が低下すると小さな炎症でもなかなか治らず、こうした体の変化が重なることでばね指が起こりやすく、症状も慢性化しやすくなるのです。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯とは?

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体を温め、血の巡りをよくする代表的な漢方薬です。
【特徴】
・当帰、芍薬(血を補う)
・桂皮、細辛(体を温める)
・生姜(冷えを散らす)
・呉茱萸(手足の冷えに作用)
これらの生薬が組み合わさることで、冷えや血行不良が原因で起こる手足の痛みやしびれに働きかけます。
【ばね指でおすすめのタイプ】
・手指が冷えて動かしにくい
・朝のこわばりがつらい
・天候や寒暖差で悪化しやすい
・更年期に入ってから症状が目立つ
「冷え+血行不良」がベースにあるタイプのばね指に向いています。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯と一緒にできるセルフケア

当帰四逆加呉茱萸生姜湯と一緒に行えるセルフケアとして、漢方薬だけでなく日常生活での工夫も大切です。例えば、湯船に浸かって手首や指までしっかり温めたり、指や手首をやさしく動かすストレッチで血流を促したりすることが役立ちます。また、しょうがや黒ごま、ねぎといった体を温める食材を意識的に取り入れることで冷え対策につながります。さらに、スマホやパソコン作業の際には適度に休憩を挟み、手をしっかり休めることも大切です。こうしたセルフケアを漢方薬と併せて行うことで、改善がよりスムーズに進みやすくなります。
副作用や注意点はある?

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は自然由来の生薬で作られていますが、体質によっては合わない場合もあります。例えば、胃腸が弱い方は胃もたれや下痢に注意が必要ですし、妊娠中や授乳中の方は使用前に医師へ相談することが望まれます。また、他の薬を服用している場合には相互作用の可能性があるため、必ず確認してから使用するようにしましょう。
自己判断せず、専門家に相談してから服用することが大切です。
【オンライン体質チェックができる「あんしん漢方」】
→専門家に相談しながら、自分に合う漢方薬を見つけられます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0274&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250927
冷えと血流改善で指の不調をやわらげよう

ばね指は、単なる手の使いすぎだけでなく、ホルモンバランスの乱れや冷えによる血行不良が原因のこともあります。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体を内側から温めて血流を改善し、指の痛みやこわばりに働きかける漢方薬です。
セルフケアと併せて取り入れることで、つらい症状の改善が期待できます。
「最近、ばね指が気になる……」という方は、ぜひ一度、漢方という選択肢を取り入れてみてください。
<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0274&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250927
イラスト:にゃたり
