
ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。
「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
今回のテーマは、「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」。
40代〜50代の女性に多い“低気圧不調”の心強い味方として、今じわじわと注目されています。
今回は「苓桂朮甘湯」について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇 純子さんに教えてもらいました。
苓桂朮甘湯はどんな方におすすめ?

「なんだかダルい」「気圧が下がると体調が崩れる……」
その症状、もしかすると低気圧不調かもしれません。そんなとき、漢方薬の視点からアプローチしてくれるのが苓桂朮甘湯。
ここでは、とくにおすすめしたいタイプを3つご紹介します。
神経症や不安のある方
苓桂朮甘湯は、精神を安定させて心を落ち着かせる作用があります。
「神経症、不眠、ノイローゼ」が気になる方にぴったりです。
気圧の変化でめまいや頭痛が起こる方
雨の日や台風の前になると、頭がズーンと重くなる、グルグルめまいがする……。
それ、気圧の変化に自律神経がついていけてないサインかもしれません。
苓桂朮甘湯には、頭部にこもった気(=生命エネルギー)の巡りを整える働きがあります。気象の変化に負けない体質づくりをサポートしてくれます。
胃が重い方
苓桂朮甘湯には、脾(=胃腸)の働きを助け、胃にたまった余分な水分を排出します。
「胃がちゃぽちゃぽする・食欲がない」といった不調を和らげ、日々を軽やかに過ごす手助けをしてくれます。
苓桂朮甘湯と併せて刺激したいツボ

漢方薬で内側から整えるなら、外側からはツボ押しでサポートするのがおすすめ。
気圧の変化で起こる不調にアプローチできるツボを2つご紹介します。指でやさしく押すだけで、じんわりと巡りが整い、気持ちもほぐれますよ。
内関(ないかん)

手のひら側の手首から指3本分ひじ側、2本の腱の間にあります。
吐き気や胃のむかつき、気分の悪さに◎。自律神経を整える効果も期待でき、気圧による不調におすすめのツボです。親指でゆっくりと5秒間押し、離す。これを3回繰り返します。
天柱(てんちゅう)

首の筋の外側と頭の骨の境目にあるくぼみ。
親指でやや強めに押し、ゆっくり離す。これを3〜5回繰り返します。
苓桂朮甘湯に副作用はある? 安心して服用するには

漢方薬だからといって「副作用はゼロ」というわけではありません。
体質に合わないと、まれに胃の不快感や下痢、アレルギー症状などがあらわれる場合も。
とくに注意が必要なのは、偽アルドステロン症です。
体重が急激に増えたり、むくみが起こる場合には、自己判断での継続は避け、医師や薬剤師に相談してください。
最も安心なのは、ご自身の体質や症状に合った漢方をプロに選んでもらうこと。
オンラインで体質チェック&処方が受けられる【あんしん漢方】なら、自宅にいながら手軽に相談できます。
天気に左右されない毎日を

「今日はなんだか不調……」
そんな日が多くなってきたなら、それは年齢のせいではなく気圧のせいかもしれません。
苓桂朮甘湯は、そんな低気圧による不調を体の内側から優しく整えてくれる、頼れる相棒です。
天気に左右されず、ご自身のリズムを取り戻してみてください。
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0254&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250510
イラスト:にゃたり
