ここ数年でよく聞く“スタンフォード式”とは、診断でもパーソナルアドバイスでもなく、自分の体に対して「無頓着」だった人が「自分」の体の健康管理のCEOになってもらうことを目指しています。不調に負けない体づくりに欠かせないのは、「知識(新しい知識をどんどん取り入れる)」×「選択(今までの生活パターンをいい方向に変える選択をする)」×「変化(それによる変化を実感する)」。これを実践すれば、何歳からでも“自分史上最高の体”を作れるといいます。最新刊『スタンフォード式 体が整う休み方』(宝島社)では、不調の代表格、疲労のメカニズムをわかりやすく解説し、日常生活の中で手軽に取り入れられる回復メソッドを紹介しています。今回は、その中から体を整えるための「質の良い睡眠」の秘訣や改善法を解説します。

監修/山田知生

ベストな睡眠に導く4大要素とは

あなたは毎日の睡眠や休息に満足していますか? 「完璧に満足している」と答えられる人は、あまりいないのではないでしょうか。ベッドに入って深い眠りにつき、朝すっきり起きると前日の疲れがとれている。さらに新たな一日の活力が湧いてくる……。そんな理想的な睡眠をとるポイントは、「深さ」「持続時間」「連続性」「規則性」の4つにあります。このうちのどれかひとつが欠けても、質のよい睡眠はとれなくなってしまいます。とれなくなってしまうと心身のさまざまなところに悪影響を及ぼし、疲労回復や筋肉増強に影響する成長ホルモンの分泌が10~15%も減少するという報告もあるほど。つまり、良質な睡眠は「最高の疲労回復時間」というわけです。

このような「満足できる睡眠なんてとれていない」という悩みを持つ原因の多くは、実は普段の生活習慣からきています。まずは自分の生活習慣を振り返ってみましょう。夜更かししたり、寝る前に暴飲暴食をしたり、寝溜めをしたり。そんな過ごし方では体は休まりません。さらに良質な睡眠をとるためには、夜の過ごし方だけではなく、朝の過ごし方が大きく影響してきます。たとえば、日が昇ってもダラダラ寝ていると日中の活力源になるホルモン、「セロトニン」と「コルチゾール」がきちんと分泌されなくなることも。また朝食を抜いていきなり昼食をとってしまうと「血糖値スパイク」を起こしてしまう危険性もあります。このような不調を招かないためにも、睡眠や休息に影響を及ぼす朝と夜の過ごし方のヒントを、ひとつずつ説明していきましょう。

4つの要素が揃うことでベストな睡眠をとることができる

1.深さ

人間の成長ホルモンは主にノンレム睡眠(深い睡眠)中に分泌されます。睡眠不足を感じるなら、すぐ「深い眠り」につけるよう、ベッドに入る数時間前の行動に気をつけたいもの。

2.持続時間

一晩の間に眠っている総時間は、成人の場合平均7~9時間。睡眠の「持続時間」が短いと疲労回復や筋肉増強に影響するホルモンが減少したり、糖分の代謝が落ちて糖質を欲し、結果太りやすくなる場合も。

3.連続性

一晩を通じてどれだけ中断されずに眠れるか「連続性」が鍵。強いストレスや寝る前の飲食などは、中途覚醒という症状を起こしやすく、睡眠が途切れ途切れになり、次の日に疲労感が残ってしまいます。

4.規則性

就寝時間や起床時間に「規則性」を持たせることで、質の良い睡眠を確保できます。不規則になると体のバイオリズムが狂ってしまい、よく眠れず、疲れがとれにくくなります。

4大要素を守るための基本ルール

睡眠は最低でも6~7時間。夜更かし、早寝はしない

翌日に疲れを持ち越さないためには、上記の4つの要素が揃わなくてはいけません。成人の場合の平均睡眠時間は7~9時間とされていますが、最低でも6~7時間はとるようにしましょう。また、「就寝時間」「起床時間」「睡眠時間」は変えずに固定するのが秘訣。これは、体内リズムを一定にして疲れやすい体を作らないようにするため。また就寝の2時間前は最も眠りにつきにくいといわれているので、極端な早寝も避けてください。

週末の寝溜め、平日の寝不足で体内時間を狂わせない

残念なことに、睡眠は溜めておくことができません。たとえば、一晩に6~7時間の睡眠時間を確保するため「平日は睡眠不足が続いたから、休日はその分まで寝て相殺しよう」などという「寝溜め」は決してできないのです。また睡眠リズムは崩れやすく、元に戻すのはむずかしいという特徴があります。次の日の起床時間が早いからといって早寝するにしても、せいぜい1~2時間程度にとどめておきましょう。

お湯に浸かると体温が急上昇。入浴はベッドに入る90分前

私たちの体は、お湯に浸かるとなかなか上がりにくい内部の体温が上昇するという仕組みが備わっています。この上昇した体温が下がったタイミングで眠くなるのですが、もし40℃のお湯に15分浸かった場合、体温が下がるのに要する時間は約90分。つまり、入浴90分後にベッドに入ると気持ちよく入眠できるのです。おすすめなのは38℃くらいのお湯に15分ほど浸かる方法ですが、それでもやはり1時間以上は空けるようにしましょう。

寝る前にものを食べない。血糖値を上げてしまう

寝る前の飲食は血糖値を上げてしまうため、できるだけ避けたいもの。理想的なのは寝る2~3時間前に食事を終え、アルコールもコーヒーも飲まないこと。仕事の後に飲みに行って、さらにラーメンを食べる。このような炭水化物やアルコールの摂取の仕方をしていると、食後に血糖値が急上昇してインスリンの分泌が増加し、血糖値を下げるために多くのエネルギーが消費されます。この過程が体に負担をかけ、次の日の疲労感の原因になります。

*  *  *

スタンフォード式 体が整う休み方
山田知生/監修
宝島社 1,320円(税込)
*アメリカ在住者の方も電子版ダウンロード可

山田知生(やまだ・ともお)
スタンフォード大学スポーツ医局アソシエイトディレクター。Neuro Athletics認定Health Coach、Precision
Nutrition Academy認定Level1 Nutrition Coach、Precision NutritionAcademy認定 Level 1 Sleep, Stress Management & Recovery Coach。
24歳までプロスキーヤーとして活動した後、26歳でアメリカ・ブリッジウォーター州立大学に留学。同大学卒業後、サンノゼ州立大学大学院でスポーツ医学とスポーツマネジメントの修士号を取得。2000年、サンタクララ大学にてアスレチックトレーナーとしてのキャリアをスタートさせ、2002年秋にスタンフォード大学のアスレチックトレーナーに就任する。スタンフォード大学スポーツ医局にて20年以上の臨床経験を持ち、同大学のアスレチックトレーナーとして最も長く在籍中。著書に『スタンフォード式 疲れない体』(サンマーク出版)、『スタンフォード式 脳と体の強化書』(大和書房)がある。

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
4月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店