文/中村康宏、内本菜穂

一般的に中年男性に多いイメージのある高尿酸血症。
近年では、社会人になり運動不足やお酒・外食の付き合いが増加し、体重が急増した若い男性が、健康診断で尿酸値が高いことを指摘され、内科を受診されるケースも多くなっています。

今回は生活習慣病のひとつでもある高尿酸血症について解説していきます。

高尿酸血症とは

尿酸とは、「プリン体」という物質が体内で分解される際にできる老廃物です。
プリン体はエネルギー源となりいつも体内で作られていますが、70〜80%は体内で作られ、残り20%程度は食事から摂取されます。
通常、このプリン体は一時的に体内に溜め込まれた後に尿や便に混ざって排出されますが、体内で尿酸が作られすぎたり、排泄がうまく行われなくなり、血液中の尿酸値が7.0 mg/dlを超えると高尿酸血症となります。

高尿酸血症は男性に多い病気で、それは女性ホルモンが尿酸値をコントロールする働きがある事から、女性は男性に比べ尿酸値が上がりにくくなっていますが、もちろん上がらない訳ではなく、偏った食生活や閉経後の女性ホルモンの低下などにより、女性でも高尿酸血症になるリスクは十分にあるのです。

尿酸値が高いとなぜ悪いのか?

1.痛風や腎臓病などをもたらす
尿酸値が高い状態が続くと、過剰になった尿酸が溶けきれずに結晶化し、関節に沈着して「痛風」となったり、腎臓や尿道に沈着し「腎障害」や「尿路結石」などを招きます。

2.生活習慣病との合併
高尿酸血症は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や慢性腎臓病と合併しやすく、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクを高める事にもなります。

尿酸値を下げるには?

高尿酸血症は生活習慣病のひとつであり、尿酸値を下げるには生活習慣の見直しが必須です。ただし、

(1)すでに痛風発作が出ている、痛風発作を繰り返している
(2)尿路結石や腎臓病などの合併症がある
(3)痛風発作率が急上昇する尿酸値が9.0mg/dl以上の方

に関しては、薬物治療を開始することが推奨されています。(高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン)

尿酸値を下げる生活習慣

1.肥満の解消

肥満の場合、インスリンの分泌を阻害する物質が増加し、血糖値が上がりやすくなる為、血糖値を戻そうと大量のインスリンが分泌されます。インスリンは腎臓からの物質の再吸収を促す為、排泄されるはずだった尿酸も再吸収され尿酸値が上昇しやすくなります。
したがって、日々の摂取カロリーは「標準体重(身長×身長×22)×25〜30kcal」を目安として、カロリーコントロールしていきましょう。(厚生労働省推定エネルギー必要量)

2.プリン体の多い食材の食べすぎに気をつける

食材によって含まれるプリン体の量には違いがあり、特にレバーや干物(マイワシやマアジ)、カツオなどに多く含まれます。
前述した通り、プリン体は体内で作られるものがおよそ80%をしめており、残り20%が食べた物からとなる為、食べ物からの影響はそれほど大きくないものの、もちろん尿酸値が高い方はプリン体の多い食材の食べ過ぎには注意して、たまに少し食べる程度に抑えましょう。
また、肉に含まれるイノシン酸もプリン体になるため、肉類の食べ過ぎにも注意が必要です。

3.アルカリ性食品や水分を意識的に摂る

尿酸値が高いと、尿が酸性になります。すると尿酸が溶けにくくなり、尿管結石の原因となります。
野菜や海藻、牛乳などのアルカリ性食品を意識して摂ると、尿管結石ができにくくなります。
また、尿酸は尿から排泄されるため、1日1.5〜2Lの水分を摂ることで尿酸が排泄されやすくなります。

4.激しい運動は避け、お酒の節制を

激しい運動はかえってエネルギーの燃えカスである尿酸が増えて痛風発作の原因となります。ウォーキングのような軽い有酸素運動を継続して行うことがおすすめです。
また、運動時に十分な水分補給をせず尿酸の濃度が高くなった状態でアルコールを飲んでしまう方も多いですが、それでは尿酸値を下げるどころか上げる原因にもなり得ます。
運動時はこまめに十分な水分補給を行いましょう。
お酒はプリン体の多いビールを避ければ良いという事ではなく、お酒自体が尿酸値を上げる原因となる為、休肝日を作る、1日に飲む量を減らすといった工夫も合わせて行えると良いでしょう。

高尿酸血症は悪化すれば痛風発作が起き、歩くこともできないほどの痛みを伴うものです。
痛みを味わって後悔する前に、早めに尿酸値をコントロールしていくことが大切です。

内本菜穂
虎ノ門中村クリニック管理栄養士。個々の生活スタイル、食事内容、嗜好などを伺い、一人ひとりに合った無理のない食事指導を実践しています。


文/中村康宏
医師。虎ノ門中村クリニック院長。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。予防の必要性を痛感し、アメリカ・ニューヨークへ留学。予防サービスが充実したクリニック等での研修を通して予防医療の最前線を学ぶ。また、米大学院で予防医療の研究に従事。同公衆衛生修士課程修了。帰国後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」にて院長。一般内科診療から健康増進・アンチエイジング医療までの幅広い医療を、予防的観点から提供している。近著に「HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること」(主婦の友社刊)がある。

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