7月初旬、このトラジャのコーヒー農園では、収穫のピークを迎えていた。桜桃のように真っ赤に熟した実だけが次々ともぎとられてゆく。毎日3杯は飲むというコーヒー好きも、この深紅の実を見た人は少なかろう。標高1000m以上という高地はコーヒー栽培に適しているそうだが、トラジャの奥地には、さらに標高1600mのウマ、そして標高1800mのプルプルという産地がある。文明の力によるスムーズな運搬が難しい僻地ゆえ、ロバに収穫したコーヒー豆を背負わせて集買所にやってくる生産者もいるほどだ。

親の仕事を手伝う生産者の子供たちも純粋無垢で、屈託のない笑顔の中心には澄んだ瞳が輝いている。100年前の日本にも、きっとこのような光景はあったであろう。心洗われるような土地からできるコーヒーは、最上のものになるに違いない。

バトゥトゥモガの棚田

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ランテパオから車で1時間半。驚くべき広大な棚田がパノラマ状に広がる。日本では考えられないスケールで、欧米からも観光客が訪れる。

コーヒーの実

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最初は緑色だが、熟すと真っ赤になる。トアルコ・ジャヤ社のパダマラン農場では、完熟した赤い実だけを丁寧に手摘みしている。

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標高1600m以上。舗装されていない勾配のきつい山道ばかりという悪環境下では、ジープが走れないことも。ロバは貴重な運搬手段だ。

ウマの集買所

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トラジャの中心地ランテパオからジープに揺られること2時間。周辺の村から収穫された豆が集められ、品質のよいものだけが取り引きされる。

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