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  1. 大開口窓は開放感が得られると同時に、季節ごとの光と風を取り込むことができる。芝生は建物周辺の温度を下げることが期待でき、庭木は夏の日差しを和らげる効果がある。
  2. 勾配天井により天井高は最高4mを実現。1階と1.5階がゆるく繋がることで、人の気配を感じながら、個室で過ごす感覚が楽しめる。
  3. 居室は35~75平方メートル、と広めに設定され、多彩なタイプが用意される。高齢者の暮らしやすさに配慮した設計が特徴だ。写真は66平方メートルの部屋。

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日本のそば発祥の地!滋賀県伊吹のそばと湖東の酒蔵をめぐる

取材・文/わたなべあや

滋賀県は、県の真ん中に位置する琵琶湖を中心に東西南北4つの地域に分かれています。今回ご紹介するのは、東に位置する湖東エリア。伊吹山や鈴鹿山脈の地層に蓄えられた美しく豊かな水源を有し、その湧き水を利用した食文化や麻織物が発展を遂げました。

日本のそば発祥の地、伊吹のそば

そば発祥の地である伊吹山。寒暖の差が激しい高冷地で、石灰岩の地層は水はけが良いため、非常にそばの栽培に適していました。江戸時代に彦根藩の領主であった井伊家には伊吹そばが納められ、井伊家では、将軍徳川家康にそばを献上していたことが「献上品目録」に記されています。

店舗は、彦根城の堀の向かい側、落ち着いた雰囲気

なんでも、伊吹そばがあまりにも美味しいため、諸国の大名は井伊家にそばを贈るのをためらったという話が残るほど。しかし、昭和30年代後半には、そばを栽培していた集落が集団移転してしまったため、細々と自家用のそばを作るだけになっていました。すっかり北海道や信州、果ては外国産のそばのほうが有名になってしまったのですが、近年、伊吹そばを復活させようと、伊吹そば生産組合と農家が在来種の作付けを始めたのです。

彦根城の堀を臨む場所にある「つる亀庵(つるきあん)」では、契約農家が作る伊吹そばだけを使用し、環境庁が認定した日本の名水百選に選ばれた泉神社の湧水(ゆうすい)でそばを打っています。ミネラルが豊富な硬水と伊吹そばの相性が良く、こしがあり、そばの香りと旨味を存分に引き出せるそうです。

「季節の変わりそば」は、穴子など旬の食材を用いたそばです。

「季節の変わりそば」は、旬の味を楽しめる

おすすめは「伊吹大根おろしそば」。普通の大根とは違い、ツーンとした辛味が鼻に抜ける味わい深い一品です。毎年12月~2月初旬まで楽しめます。

伊吹大根の辛味が旨味に変わる「伊吹大根おろしそば」

伊吹山の特産品「伊吹大根」

【献上伊吹そば つる亀庵】
住所:滋賀県彦根市立花町1-1
電話番号:0749-26-2615
定休日:水曜日(桜・紅葉シーズンは不定休)
URL:http://www.ichien.jp/tsurukian/index.html

まぼろしの酒米が復活を遂げた
近江の蔵元「藤居本家」

短稈(たんかん)渡船二号、藍色のボトルも涼やか。琵琶湖の酒肴と共に

近江の蔵元「藤居本家」は、創業天保二年。皇室で毎年秋に行われる新誉祭(にいなめさい)という収穫祭の時に、御神酒の白酒(しろき)を献上している蔵元でもあります。

歴史を感じさせる藤居本家の建物

近江は昔から良質な米の産地として知られているのですが、藤居本家では、滋賀県の農家の方々が丹精込めて育てた低農薬・低肥料の新米のみを使用しています。

また、米と同じく酒の命とも言える水は、湖東に連なる鈴鹿山脈の水を源流とした愛知川の伏流水なのですが、100年前に地層に染み入ったという水は、柔らかな口当たり、甘やかな味わいです。滋賀県産の酒米と近江ならではの芳醇な水は、総欅造りの酒蔵で蔵人によって仕込まれます。

毎朝20俵もの酒米を蒸し上げる、左手の稲が渡船

江戸時代の木の樽。いまは酒粕に木くずが入るため使われていない

藤居本家の「黒渡(くろわたり)滋賀渡船二号」は、まぼろしの酒米「滋賀渡船」から造る逸品。酒米の王者「山田錦」の父系にあたる「渡船」は、明治、大正、昭和初期には生産されていましたが、栽培が非常に難しく、収量が少ないため、いつしか姿を消してしまいました。しかし、藤居本家七代目の藤居鐵也さんは、もう一度あの「渡船」を復活させたいと情熱を傾け、農家の方の協力を得て、ほんのわずか国が保管していいた種籾から半世紀もの年月をかけて「渡船」を復活させたのです。

右が普通の食用米、左が渡船二号。雑味のない洗練された味わいになる

「滋賀渡船二号」は「渡船」の一種で、藤居本家の契約農家だけが栽培している酒米ですが、稲丈が160cm以上もある、野生種に近い稲です。酒米は力強く個性に溢れ、熟練の杜氏の手によって、すっきりとした辛口、ふくよかな香りに仕上げられます。

【蔵元 藤居本家】
住所:滋賀県愛知郡愛荘町長野793
電話番号:0749-42-2080
年中無休
URL:http://www.fujiihonke.jp/
※酒蔵見学:要予約

近江の麻織物「近江上布(おうみじょうふ)

滋賀県では麻、綿、絹織物の生産が古来より盛んに行われてきました。綿織物は江戸時代中期以降に作られるようになったのですが、近江の麻織物の歴史は、室町時代にまで遡り、庶民にも愛用されていたそうです。

近江は、江戸時代には上質な麻織物「高宮布(たかみやぬの)」の集散地として知れ渡り、彦根藩は高宮布を保護し、将軍家に献上していました。やがて明治時代に入ると化繊が好まれるようになり、高宮布の生産量は激減、生産拠点は現在の愛荘町(あいしょうちょう)、東近江市に移ったのです。

しかし、その後、麻織物も近代化による技術革新の波に乗り再び日の目を見るようになり、「近江上布」は国の伝統工芸品に指定されました。

近江上布は、苧麻(ちょま)という植物から糸が作られる

高宮布から近江上布へと変遷・発展を遂げた近江の麻織物。その生産には豊かな湧き水が欠かせなかったといいます。近江では、雨が鈴鹿山脈の地層に染み込み、何年もの時を経て湧き水となって、愛知川や宇曽川に注がれます。麻織物は「仕上げ」という工程を経て、はじめて製品として世に出せるようになるのですが、「洗い」など多量の水を必要とする工程が欠かせないため、澄んだ水が大量に湧き出る近江は、上質の麻織物の産地になったのです。

さらに、でんぷんやこんにゃくといった天然糊材を使用した加工技術や清涼感のある「しぼ加工」や草木染めなども加わり、現在も、さまざまな風合いの麻織物が続々と誕生しています。

愛荘町には「近江上布伝統産業会館」では、直営ショップ「麻々の店(ままのみせ)」のほか、江戸時代から伝わる地機(じばた)や近江上布の機織り見学や体験教室を開催。近江の麻織物の魅力に直に触れられます。

【近江上布伝統産業会館】
住所:滋賀県愛知郡愛荘町愛知川13-7
電話番号:0749-42-3246
休館日:毎週月曜日、祝祭日、年末年始
URL:http://asamama.com/

*  *  *

琵琶湖を囲む山脈の、地中深く染み入った湧き水に潤う湖東の町。人々は風土を活かした作物を栽培し、織物を作って湖東ならではの特産品を編み出しました。そうした文化の香りに触れながら、風光明媚な琵琶湖の景色を楽しむ旅に出てみてはいかがでしょうか。

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。

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