明治の初め、いち早く西欧の文化が伝わった上野には洋食店が次々に誕生、この地ならではの食文化を育んできた。そんな上野の美食を巡る。
上野湯島散策の〆に訪れたい和室で寛ぐレコードバー

バーは非日常の空間で、少しの緊張感をともなって寛ぐ場。それがオーナーバーテンダー、幹太さんの哲学だ。カウンターだけの店内の床に畳を敷き、入店時に靴を脱ぐというひと手間を課し、ほんの一瞬、粛然とさせる。畳とはいえ、座布団ではなく、ゆったりとしたハイチェアなのでご安心を。


緊張感と寛ぎが絶妙に融和
スピーカーにJBL、アンプにはマランツ。客の年齢や雰囲気に合わせて幹太さんがセレクトした音楽が小気味よく流れる。
「気分に合った音楽を聴きながら、ゆったりとした時間を過ごしていただければいいなと。広島で感銘を受けたバーを参考にクラシック、ジャズ、ポップスなど、ジャンルフリーでレコードを揃えています」
開店してまだ1年足らず。レコードは専用の棚に1000枚近く揃うが、まだまだ余裕がある。今日より明日、明日よりも1週間後……棚が埋まっていくほどに熟されていく空間は、未来の上野湯島の名物バー候補。長く付き合っていきたい。

Record Bar Sounds
文京区湯島3-45-2 上野広小路マガザン2 5階
電話:070・2399・5805
営業時間:19時ごろ〜翌2時ごろ(早仕舞いもあり)
定休日:無休
交通:東京メトロ千代田線湯島駅2番出口より徒歩約2分
取材・文/武内しんじ 撮影/貝塚 隆

