蜂蜜色の輝きが纏う優雅さ｜A.ランゲ&ゾーネが贈る250本の限定新作

ドイツの名門時計マニュファクチュール、A.ランゲ&ゾーネが250本限定の新作「ランゲ1・デイマティック ハニーゴールド」を発表しました。ランゲ独自開発のゴールド合金「ハニーゴールド」を初めてランゲ1・デイマティックに採用した希少な一本です。

文／土田貴史

ランゲ独自のゴールド合金で、アイコンデザインの魅力が新たに

「ランゲ1・デイマティック」は、A.ランゲ&ゾーネを代表する自動巻き時計であり、クラシックな「ランゲ1」の独特なデザインを継承しています。今回初めて、このモデルがハニーゴールド750製ケースで登場しました。ランゲが独自に開発したこのゴールド合金が放つ温かな光沢は、シルバー925製のブラウンダイヤルをエレガントに引き立て、250本限定のリミテッドエディションにひと際、洗練を与えています。

ハニーゴールドとは、通常のイエローゴールドよりも硬度が高く、傷に強い特性を持つランゲ専用の特殊合金です。その名の通り、蜂蜜を思わせる温かみのある光沢が特徴で、一般的なゴールドとは一線を画す上品な発色を実現しています。このハニーゴールドケースと組み合わされるのが、シルバー925製のブラウンダイヤルです。ハニーゴールドの温かな輝きとブラウンダイヤルの落ち着いた色調が絶妙に調和し、針やアプライドインデックス、アウトサイズデイトのフレームに映り込む光沢が、ダイヤル全体にエレガントな表情をもたらします。

ランゲ1・デイマティックは、2010年に発表された自動巻きモデルで、ランゲ1の特徴的なオフセンターダイヤルを鏡像のように反転させたデザインが特徴です。時分表示が右側、スモールセコンドとアウトサイズデイトが左側に配され、さらに左外周部にはレトログラード式曜日表示が配置されています。クラシックなランゲ1にはパワーリザーブ表示がある一方、このデイマティックには曜日表示があり、実用性とデザイン性を両立させています。

直径39.5mm、厚さ10.4mmというバランスの取れたサイズ感は、手首にしっくりと馴染み、シャツの袖口にもすっきりと収まります。ラグとベゼルのデザインも洗練され、独特の軽やかな雰囲気を醸し出しています。

伝統の技が息づく自社製ムーブメント

ケースやダイヤルの美しさだけでなく、時計の心臓部にも注目すべきです。搭載されているのは、ランゲ自社製自動巻きキャリバーL021.1。426個の部品で構成されるこのムーブメントは、すべてのランゲ製キャリバー同様、二度組み方式（※）で組み立てられています。

（※）ムーブメントを一度、組み立てた後に部品をバラし、すべての部品を磨き上げた後でもう一度、組み直します。精度の高さに加えて、審美性を重視するためのランゲ独自の製造スタイルです。

ムーブメント全体に広がる大型センターローターは、効率的な巻き上げと安定した動力供給を実現します。センターセグメントには「A. Lange & Söhne」のシグネチャーがエンボス加工され、21K(875/1000)ゴールド製の部品が採用されています。一方で、分銅にはプラチナ950が用いられています。温かみのあるゴールド、クールなプラチナ、コーンフラワーブルーのビスという色彩の組み合わせが、技術的エレガンスと視覚的魅力を両立させています。

また、時計が衝撃を受けた際には4本の細いスポークが重いローターを緩衝し、ムーブメントを保護する設計。完全巻き上げ状態で50時間のパワーリザーブを確保しています。

さらに、偏心錘付き大型テンプを特徴とする振動システムのほか、自社開発・製造された毎時21,600回振動するヒゲゼンマイを備えるなど、ランゲならではの高品質の証が随所に見られます。ハンドエングレービング入りテンプ受け、グラスヒュッテストライプ、ビス留め式ゴールドシャトンといった伝統的な装飾技法が、サファイアクリスタルのケースバック越しに鑑賞できるのも魅力です。

「その独特のデザイン、洗練された自社製ムーブメント、そして職人技による仕上げにより、ランゲ1・デイマティック ハニーゴールドは、自動巻き時計愛好家の皆様に贈る強い個性を持つタイムピースとして登場します」と、商品開発ディレクターのアントニー・デ・ハスは語ります。そして、こう続けました。「ランゲ独自のケース素材と珍しいカラーの組み合わせが、アイコニックな定番モデルであるこの時計を更にエレガントなものへと昇華させています」。

250本という限定数、そしてハニーゴールドという特別な素材。ランゲの歴史を刻むこの傑作は、時計愛好家にとって見逃せない一本となるでしょう。