美味へとつながる新技術の開発や食材資源に関わる謎の解明から、歴史や文化の視点まで。大学はさまざまな専門的研究を通じ、新たな「食」の魅力を見つける可能性にあふれている。

安政5年(1858)に福澤諭吉の始めた蘭学塾が起源となった慶應義塾大学は、日本で最も古い歴史を持つ私立総合大学。象徴する建物の図書館旧館は明治45年(1912)に建てられたゴシック様式の煉瓦造りで、関東大震災や空襲での損傷を乗り越え、昭和44年、国の重要文化財に指定された。
『カフェ八角塔』はそんな歴史的建造物の1階にある。シャンデリアの下がる瀟洒な内装で、様々な西洋文化を日本に持ち込んだ、福澤に由来するメニューもある。たとえば、キーマカレーの「コルリ」。福澤が著書『増訂華英通語』の中で、カレーをコルリと訳し、初めて日本に紹介したという逸話から、そう名づけられた。文明開化の時代に肉食を推進した福澤をイメージし、牛肉と豚肉の挽き肉をたっぷり使用。コクのある上質な味わいだ。


「酒を好んだ福澤にちなみ、喫茶店でありながらビールやウイスキーも準備しています」とマネージャーの小林正樹さん。他にも、牛乳と濃く煎じたコーヒーを混ぜて飲んでいた逸話にちなんだ「八角塔珈琲牛乳」などがある。

2階には「福澤諭吉記念慶應義塾史展示館」があり、遺品や直筆の手紙などが並び、福澤の功績をより深く知ることができる。同大の精神を絵で表現した、大迫力のステンドグラスも見ものだ。



慶應義塾大学三田キャンパス
東京都港区三田2-15-45
交通:JR山手線田町駅より徒歩約8分
福澤諭吉記念慶應義塾史展示館
電話:03・5427・1200
開館時間:10時~18時
休館日:日曜、祝日、夏季・年末年始
入館料:無料
カフェ八角塔

電話:03・5443・0377
営業時間:10時~13時30分(最終注文)、15時~17時30分(最終注文)
定休日:日曜、祝日、大学指定日

