写真・文/矢崎海里
今年は梅雨明けも早く、6月から暑さが続いています。
日中の熱中症も不安ですが、就寝時の熱中症も気をつけなければいけません。
熱くて眠れない、何度も目が覚めてしまう、エアコンの風で体調を崩すなど、この季節は睡眠不足になる方も多くいます。
今回は睡眠不足に着目し、食事から気をつけるポイントを紹介していきます。
就寝時の基本対策
まずは快適に眠るための基本の対策をご紹介していきます。
部屋は冷やしすぎない
エアコンは26〜28℃に設定して、直接冷気が当たらないようにしましょう。
扇風機やタイマーを活用しながら、冷やしすぎないことが大切です。
通気性のある寝具を使用
就寝中は汗をたくさんかきます。
吸放湿性の高い寝具や、接触冷感のある寝具を選び、睡眠の質を下げないよう気をつけましょう。
体を冷やさないよう、掛け布団をかけて眠ることも重要です。
寝る前に水分補給
途中でトイレに起きるのが気になり、就寝前は水分摂取を控えている方もいるのではないでしょうか。
実は熱中症の4割は夜間に起きています。
また水分不足になると、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも上昇します。
寝る前にコップ一杯の水や経口補水液、薄めたスポーツドリンクなどを飲んで寝るようにしましょう。
食事から気をつけるポイント
ストレスを和らげる栄養素や、催眠作用のある栄養素を意識して補うことで、快適に眠る手助けをしてくれます。
食事のタイミングや飲み物にも注意しましょう。
たんぱく質、ビタミンC
暑さや寝不足でストレスを感じているときは、たんぱく質やビタミンCが消費されてしまいます。
ストレスやイライラを和らげる効果があるため、これらの栄養素を意識して摂りましょう。
たんぱく質は肉や魚、豆類、ビタミンCは野菜や果物、いも類などに含まれています。
カルシウム、マグネシウム
カルシウム、マグネシウムは神経の興奮を鎮める効果があります。
乳製品や魚、大豆製品、ナッツなどに含まれています。
トリプトファン、ビタミンB6
必須アミノ酸の一種、トリプトファンは催眠作用のあるセロトニンの原料となります。
同じくビタミンB6やマグネシウムもセロトニンの原料です。
牛乳などの乳製品、バナナ、大豆製品などに含まれています。
食事は2時間前まで
満腹や空腹だと眠れない場合もあるため、食事は2時間前までに済ませておきましょう。
就寝前のカフェイン飲料や大量の飲酒は避け、眠れない場合はリラックス効果のあるハーブティーなどがおすすめです。
ここからは、上記栄養素を取り入れたおすすめレシピをご紹介します。
しらすのポテトグラタン
【材料】(2人分)
じゃがいも 小2個
釜揚げしらす 60g
玉ねぎ 1/2個
有塩バター 20g
小麦粉 大さじ2
牛乳 200cc
塩・胡椒 適量
ピザチーズ 60g
パセリ(みじん切り) 適量
【作り方】
1.じゃがいもは5mm幅に切り、耐熱容器に敷き詰める。ラップをして600Wの電子レンジで2分半加熱する。
2.玉ねぎはみじん切りにして、バターを溶かしたフライパンで透き通るまで炒める。
3.弱火にして小麦粉を加える。粉っぽさがなくなるまで炒めたら牛乳、塩・胡椒を加え、とろみが付くまでかき混ぜ、火を止める。
4.1に3をかけ、釜揚げしらすをのせる。
5.ピザチーズをのせ、オーブントースターで焼き目が付くまで5分ほど焼く。
6.パセリを散らして完成。
ハードルが高く感じる手作りホワイトソースも、家にある材料で簡単に作ることができます。
バター:小麦粉:牛乳の比率は1:1:10。
グラタン以外にもパスタやミルク煮などさまざまな料理に活用可能です。
じゃがいもは電子レンジで下ごしらえしておくことで、ホクホクに仕上がります。
しらすとチーズの塩気がポイントです。
牛乳はカルシウムやトリプトファンがバランスよく含まれています。
たんぱく質もプラスできます。
しらすにはたんぱく質やカルシウム、じゃがいもにはビタミンCが含まれています。
リラックスして眠るために大切な栄養素をしっかり取り入れたレシピです。
エネルギー:378kcal
たんぱく質:16.4g
カルシウム:369mg
マグネシウム:62mg
ビタミンC:45mg
食塩相当量:2.0g
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暑い季節はついつい冷たい物ばかり食べてしまいますが、温かい食べ物や飲み物も取り入れて、体を冷やさないよう気をつけましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。