香ばしさが鼻腔をくすぐる唯一無二の「胡麻風味」

シュークリー(東京・人形町)

手前が胡麻風味の「シュークリーム」290円。奥はカスタードクリームを詰めたプチシューを積み重ねた「ロッシェ」580円。

ごつごつと岩のような表面に、たっぷりの胡麻。日に計約350個を販売するこの印象的なシュークリームを求めて、東京・人形町の『シュークリー』には、1日3回、焼き上がり時間の前に長い行列ができる。シュー生地に砕いたアーモンドなどを散らしたものは多々あるが、胡麻を用いるのはこの店独自のアイディアだ。

「胡麻は日本人に馴染みのある食材です。その風味や香ばしさを存分に感じていただくために、胡麻で作った“チュイール”(ペースト状のフランス風せんべい)をシュー生地の上にのせて焼き上げています」と話すのはシェフの鈴木丈晴さん(37歳)。単純に胡麻を振るのではなく、“チュイール”というひと手間が重要なのである。

甘すぎないクリームの秘密

クリームは、カスタードと生クリームを3対1の割合で調合している。カスタードクリームは小麦粉の代わりにコーンスターチを用いて粉っぽさをなくし、生クリームは乳脂肪だけでなく植物性脂肪分を加えている。ゆえになめらかで軽やかな味わいと、しつこくないほどよい甘さに仕上がっている。

鼻腔をくすぐる胡麻の香り、ざっくりとした皮の食感、しっとり広がるクリームの感触……。人形町を訪れる際には、ぜひこの味わいを心ゆくまで楽しんでほしい。

胡麻風味のシュークリームができるまで

約250個分のシュー生地をまとめて作る。鍋に牛乳、水、「タカナシ乳業」のバター、砂糖、塩を入れ強火にかける。

沸騰し、バターが溶けたところに一気に小麦粉を投入する。粉が飛び散らないように、手早くヘラでよく混ぜる。

はじめは粉がボロボロしているが、しっとりとひと塊になるまで、根気よく混ぜ合わせる。

なめらかになったところで、攪拌機に移す。全卵67個分を3回に分けて入れ、なめらかになるまでさらによく攪拌する。

でき上がったシュー生地を絞り、その上に黒胡麻、白胡麻、小麦粉、バターで作ったチュイールを絞る。

オーブンを上200度/下175度に設定し、約40分焼く。徐々に温度を下げながら30分焼き、別のオーブンで30分焼く。

焼き上がったシュー生地を冷まし、底に穴をあけてクリームを絞り入れる。ひとつずつ紙に包み、粉砂糖を振る。

完成

シュークリームの焼き上がり時間は1日3回(9時30分、12時、17時)で、販売個数がなくなり次第終了。
クリームたっぷり。径約7cm、重さ約76g。

シェフの鈴木丈晴さん。以前、江戸川区にあった姉妹店で長く働き、ヨーロッパでの経験を経て、5年前にシェフとして就任。

●シュークリー
東京都中央区日本橋人形町1-5-5 電話:03・5651・3123 営業時間:9時30分~18時 定休日:日曜 交通:東京メトロ日比谷線・都営浅草線人形町駅から徒歩約5分

各種ケーキや焼き菓子などが並ぶ店内。シュークリームは20個以上であれば予約可(前日までに連絡)。

取材・文/関屋淳子 撮影/高橋昌嗣

※この記事は『サライ』本誌2021年12月号より転載しました。

 

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