香ばしさが鼻腔をくすぐる唯一無二の「胡麻風味」
シュークリー(東京・人形町)
ごつごつと岩のような表面に、たっぷりの胡麻。日に計約350個を販売するこの印象的なシュークリームを求めて、東京・人形町の『シュークリー』には、1日3回、焼き上がり時間の前に長い行列ができる。シュー生地に砕いたアーモンドなどを散らしたものは多々あるが、胡麻を用いるのはこの店独自のアイディアだ。
「胡麻は日本人に馴染みのある食材です。その風味や香ばしさを存分に感じていただくために、胡麻で作った“チュイール”(ペースト状のフランス風せんべい)をシュー生地の上にのせて焼き上げています」と話すのはシェフの鈴木丈晴さん(37歳)。単純に胡麻を振るのではなく、“チュイール”というひと手間が重要なのである。
甘すぎないクリームの秘密
クリームは、カスタードと生クリームを3対1の割合で調合している。カスタードクリームは小麦粉の代わりにコーンスターチを用いて粉っぽさをなくし、生クリームは乳脂肪だけでなく植物性脂肪分を加えている。ゆえになめらかで軽やかな味わいと、しつこくないほどよい甘さに仕上がっている。
鼻腔をくすぐる胡麻の香り、ざっくりとした皮の食感、しっとり広がるクリームの感触……。人形町を訪れる際には、ぜひこの味わいを心ゆくまで楽しんでほしい。
胡麻風味のシュークリームができるまで
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完成
●シュークリー
東京都中央区日本橋人形町1-5-5 電話:03・5651・3123 営業時間:9時30分~18時 定休日:日曜 交通:東京メトロ日比谷線・都営浅草線人形町駅から徒歩約5分
取材・文/関屋淳子 撮影/高橋昌嗣
※この記事は『サライ』本誌2021年12月号より転載しました。