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ヨーロッパ屈指の絵画作品が21年振りに日本で公開【オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち】

取材・文/池田充枝

オランジュリー美術館は、19世紀後半から20世紀初頭のフランス美術を収蔵・公開するフランスの国立美術館です。

美術館の建物自体は19世紀中頃に建てられたチュイルリー宮庭園のオレンジ温室で、1920年代に、モネが《睡蓮》の大装飾画を国に寄贈する際、外光のもとで鑑賞できる場所としてこの温室が選ばれ、二つの楕円形の展示室が作られました。1960年代になって、国が購入した「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」を公開するために「睡蓮の間」の天窓を塞ぐように2階に展示室が作られました。

「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」は、画商のポール・ギヨームが基礎を築いた印象派とエコール・ド・パリの作品群で、その質の高さが高い評価を受けています。

アメディオ・モディリアーニ《新しき水先案内人ポール・ギヨームの肖像》1915年 Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l' Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

アメディオ・モディリアーニ《新しき水先案内人ポール・ギヨームの肖像》1915年 Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l’ Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

オランジュリー美術館は現在、2000年から2006年にかけての改修工事で、地下に新たに「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」の常設展示室と企画展示室を増設したため、《睡蓮》の大装飾画も外光のもとで鑑賞できるようになりました。

オランジュリー美術館が誇るヨーロッパ屈指の絵画コレクションが21年ぶりに来日公開されています。(2020年1月13日まで)

本展では、オランジュリー美術館所蔵の146点のヴァルテル&ギヨーム コレクションのうち、ルノワール、シスレー、モネ、セザンヌ、ルソー、マティス、ピカソ、モディリアーニ、ドンゲン、ドラン、ローランサン、ユトリロ、スーティンの13人の画家による約70点が、21年ぶりにまとまって来日します。

オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》1892年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l' Oangerie) / Franck Raux / distributed by AMF

オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》1892年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l’ Oangerie) / Franck Raux / distributed by AMF

本展の見どころを読売新聞東京本社の文化事業部、横山薫さんにうかがいました。

「ルノワールの《ピアノを弾く少女たち》をぜひ見ていただきたいです。二人の少女が顔を寄せ合い、楽譜をのぞき込む姿を描いたものです。伸びやかな筆致と美しい色彩の調和は、まさにルノワール真骨頂。少女たちの仲むつまじげな様子が伝わってくる、愛らしい作品です。
次にご紹介したいのが、イタリア出身のモディリアーニの作品《新しき水先案内人ポール・ギヨームの肖像》です。ギヨームは20世紀前半にパリで活躍した画商で、オランジュリー美術館の絵画コレクションの基礎を築きました。アーモンドの形をした目と、やや縦長の姿というモディリアーニ独特のフォルムで描かれています。

クロード・モネ《アルジャントゥイユ》1875年 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l' Oangerie) / Franck Raux / distributed by AMF

クロード・モネ《アルジャントゥイユ》1875年 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l’ Oangerie) / Franck Raux / distributed by AMF

モネの作品では、名画《アルジャントゥイユ》が見られます。アルジャントゥイユは、パリ郊外にあるセーヌ河畔の町。モネが一時期暮らし、周辺の風景を盛んに描いたことで知られます。空と水面が画面の大半を占めているのが特徴です。

アンリ・マティス《赤いキュロットのオダリスク》1924-25年頃 Artwork: (c)Succession H.Matisse Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l' Orangerie) / Michel Urtado / distributed by AMF

アンリ・マティス《赤いキュロットのオダリスク》1924-25年頃 Artwork: (c)Succession H.Matisse Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l’ Orangerie) / Michel Urtado / distributed by AMF

マティスの作品《赤いキュロットのオダリスク》も出品されています。背景の平面性と装飾性に加え、女性がはいたキュロットの赤が印象的な、マティスらしさが表れた作品です。
アンリ・ルソーの作品《婚礼》も見逃せません。花嫁を中心に人が集まる記念写真のような構図。婚礼という晴れやかな舞台にもかかわらず、画面には、どこか不思議な雰囲気が漂っています。

アンリ・ルソー《婚礼》1905年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l‛ Orangerie) Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l’ Orangerie)/ Hervé Lewandowski / distributed by AMF

アンリ・ルソー《婚礼》1905年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l‛ Orangerie) Photo (c) RMN-Grand Palais(musée de l’ Orangerie)/ Hervé Lewandowski / distributed by AMF

印象派とエコール・ド・パリの質の高い作品群が集まりました。次に日本で目にすることができるのは、いつになるか分かりません。この機会にぜひご鑑賞ください」

どれをとっても超一級作品!! 見応え満点の展覧会にぜひ足をお運びください。

マリー・ローランサン《ポール・ギヨーム夫人の肖像》1924- 28年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l' Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

マリー・ローランサン《ポール・ギヨーム夫人の肖像》1924- 28年頃 Photo (c) RMN-Grand Palais (musée de l’ Orangerie) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

【開催要項】
横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち
会期:2019年9月21日(土)~2020年1月13日(月・祝)
会場:横浜美術館
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://artexhibition.jp/orangerie2019/ 
開館時間:10時から18時まで、会期中の金・土曜日は20時まで(ただし9月27日・28日、1月10日~12日は21時まで)※入館は閉館30分前まで
休館日:木曜日(ただし12月26日は開館)、年末年始(12月28日~1月2日)

取材・文/池田充枝

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