取材・文/池田充枝

アラスカで暮らして大自然に生きる動物を撮影した写真家、星野道夫(1952-1996)。
19歳のときに目にしたエスキモーの村の空撮写真に惹かれて村長に手紙を書き、20歳の夏休みにアラスカに約3カ月滞在して、写真家になることを決意します。

以後、北極圏の自然や野生動物と共生する人々の暮らし、語り継がれた神話など、多くの出会いを通じて思索を深めながら「自然と人間の関わり」を追い続けました。

「草むらに潜むグリズリー」撮影:星野道夫

没後25年を迎えた今年、星野道夫の足跡をたどる回顧展が開かれています(11月7日まで)。
本展では代表作をはじめ貴重な資料を交えて星野道夫の足跡を紹介します。見どころを、岡山県立美術館の学芸員、八田真理子さんにうかがいました。

「春のアラスカ北極圏、群れにはぐれてさまようカリブー」撮影:星野道夫

「メインビジュアルに使用しているこちらの写真。中央の動物は、星野道夫さんが最も心を傾けたテーマの一つであるカリブーです。その背後には、雪の残る山の斜面が川から立ちのぼる朝霧で白くぼやけている、という不思議な情景が広がっています。星野さんの代表作といってよいでしょう。

『旅をする木』など、星野さんのエッセイから彼のことを知ったという人も多いと思います。本展は、稀代の自然写真家としての星野さんの魅力に触れていただく、絶好の機会となっています。ダイナミックなプリントによって、彼の作品世界の壮大さを体感してください。

「ホッキョクジリス」撮影:星野道夫

また、星野さんがアラスカで追い続けた『自然と人との関わり』は、私たちから遠く離れたものでは決してありません。本展では、『岡山で自然と共に生きること』への思考を促すワークショップをご用意しています。イベントはいずれも事前申し込み制となっております。星野直子さんの記念講演会もあります」

「タテゴトアザラシの親子」撮影:星野道夫

コロナ禍の閉塞感を癒やしてくれる展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
特別展 星野道夫 悠久の時を旅する
会期:2021年9月28日(火)~11月7日(日)
会場:岡山県立美術館 地下展示室
住所:岡山市北区天神町8-48
電話:086・225・4800
公式サイト:https:// okayama-kenbi.info
開館時間:9時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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