マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、サライ世代に向けて、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。今回は、「チームビルディング」を取り上げます。

人事異動や組織編成の変更などが多い10月、多くのリーダーが心機一転、新チームや新メンバーを任されているのではないでしょうか。新しい仲間が加わり、新たなミッションを受け、気が引き締まると同時に、改めて最高のチームを作るためには、マネジメントを見直すことが必要です。そこで、チームビルディングの観点から、新しいメンバーやチームを率いるリーダーが意識したい3つのポイントを解説します。

決起会や歓迎会はする必要なし

新チームでの新たなスタートとなると、まずは決起会や歓迎会をやって、懇親を深めモチベーションをあげましょうとなりがちですが、こうした飲み会はむしろ不要です。

極論、経費の無駄ですし、二日酔いで仕事に支障をきたせば大きなロスです。勝手にメンバー同士が飲みにいくのを止める必要はありませんが、わざわざリーダーであるあなたが指示を出し、主催する必要はありません。

なによりも、接点がほとんどなかったメンバーにいきなりあなたの砕けた姿や、飲み会の雰囲気に飲まれたことによる油断した発言をもって、「新しい上司は〇〇だ」等と仕事以外のことで無駄に部下に評価されることは、自らがマネジメントしにくい状況をつくるだけです。

最初に必要なことはチームの「ルール」を明文化しておき、それを提示し、不明ならば誰に聞けばいいか等を明確にしてあげることです。なにか困った時にわざわざリーダーに確認する手間をなくしてあげれば、自分のマネジメントコストも下がり、一石二鳥です。

リーダーであればチームのルールを明文化し、月に1回は更新をかけて周知をするくらいのことは心がけましょう。むやみに部下とのコミュニケーションを増やし、そこでのお互いのストレスや無駄な時間を生む必要はないのです。

もし、あなたのチームが「困ったら何でも聞いてきなさい」という発言が必要な環境になっているとしたら大問題です。なぜなら、メンバーがリーダーにいちいちお伺いを立てないと動けない非常にロスの多い環境を作っている可能性が高いためです。

「分からなかったらルールを確認してください。それでも不明な場合は確認しに来てください」と言っても何の不親切にもならない状態を整えておくことが重要です。

飲み会を開き部下とのコミュニケーションを図るよりも、普段からオープンな姿勢でルールを明確にして管理している方が、部下も「なんでも聞きやすく」なるものです。

人間関係で揉めたら「対話での解決」は厳禁

チーム内には様々なタイプの人間がいます。多様性はチームの継続的存続に必須の要素ですし、仕事におけるチームの醍醐味は、プライベートではあまりかかわらないようなタイプの人間同士が同じ目的に向かって進んでいく中で得られる調和です。

リーダーと部下、部下同士が人間的に相性が悪いという状況は良い、悪いではなく、むしろ「あって当然」です。ですから、人間関係や相性はこの際無視しましょう。

そんなことはできない、部下同士がいがみ合っていて仕事をしてくれない状況というのであれば、予防と対処法を覚えておきましょう。

予防については、そもそも上司が人間関係を配慮して配置換えしたりすると、「配慮してもらえるんだ」という誤解や錯覚を組織内に生んでしまい、本来業務上不要な好き嫌いの感情が優先されることになるのです。ですから、無機質にチームの目的に必要な機能として、適切な能力のある人物を配置するようにしましょう。

揉め事が発生してしまった場合の対処法は、「対話で解決をしない」ことです。

揉めているという事はチーム内のルールに関しての認識の齟齬が生じているのではないかをまず疑い、それぞれの認識を確認します。

その上でルールの認識を間違えているのであれば、それを指摘し修正するように指示をすることです。また、ルールが存在しておらず、不明確なためメンバー同士の認識がズレているのであれば、それはリーダーであるあなたの責任なので、直ちにルールを明確化し周知しましょう。

なぜ対話で解決してはいけないかというと、それぞれをなだめて和解させようとしても、チーム内のルール認識がズレたままでは、また同じ衝突が起こるだけだからです。

敗者を称えてはいけない

チームの雰囲気を良くしようとすると、業績の悪いローパフォーマーがばつが悪くならないように、仕事が出来ていないことを指摘できなくなってしまうことがあります。

業績の悪い仲間を𠮟り倒せということではもちろんありません。ただ、チームの中であっても優劣や勝ち負けは明確にする必要があります。

むしろ同じチームの中でなければ切磋琢磨は起こりません。それぞれが競い合える環境こそが人が育つためのチームが持つ極めて優れた環境なのです。

そのためには、客観的に業績を評価し、誰が見ても公明正大な競争環境を準備してあげる必要があります。リーダーの主観で優越が決まるようなものは厳禁です。それではただのえこひいきになってしまい、素晴らしい競争環境が生まれません。無機質にそれぞれが優越を気にしているような環境がベストです。

学生時代も成績の良かった生徒は成績トップが誰なのか把握していますが、成績の悪い生徒は現実から目をそらすので、誰が成績上位者かあまり興味がなくなっていきます。しかし、みんなが気にするような環境を作ることで、成績下位者もだんだん周りのメンバーに引っ張られて周囲が気になるようになり、成長志向が育まれるものです。

市場と言う環境にいる限り、「市場は競争原理の中で成立している」という事実から目をそらせば、それこそ企業は死んでしまいます。

まとめ

以上の3点を意識して、心機一転、新しいチームやメンバーのマネジメントへの挑戦を続けていきましょう。マネジメントスキルは経験するなかでしか高まりません。この記事をきっかけに、みなさんが積極的にマネジメントスキルを上げる一助になれば幸いです。

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