転職を検討されている方も多いかもしれない。職場でマネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp/)」から、新たな職場を考えている方のために、「危険な」会社の見分け方をお伝えしよう。
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「入社して後悔した」という目に遭わないために、転職を検討中の方に向け、入社してはならない「危険な会社」を見分けるポイントについて解説したいと思います。
危険な会社とは
最近、仕事上でよく話題に上がるのは、コロナ禍による環境の変化についてです。労働者の環境、働き方も急速に多様化し、雇う側も雇われる側も変化に戸惑っている印象を受けます。
働く会社や職業、働き方の選択は個人の自由ですが、急速な環境の変化によって判断する基準を見失い、どうやって転職先を選んだらよいか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、転職希望者が転職で後悔しないために、「危険な会社」を入社前に見分けるポイントとその方法についてご紹介します。
ここでいう、危険な会社とは、入社後に本来必要のない苦労をすることになる可能性が高い会社、つまり、入社したことを後悔する可能性が高い会社です。
ルールがあるか
最初のポイントはルールの有無です。ルールがない、あっても守られていない会社は要注意です。入社前に、主に面接の段階でそれを把握する手段は以下の四つです。
直接聞く
これが最も効果的です。全社ルールや各種のマニュアルが存在し、それが守られているかどうかを確認してみてください。ルールが存在しなかったり、明確な回答がなかったりする場合は危険です。存在しているという回答があっても、本当に明文化されているかどうかは分かりませんので、注意が必要です。
社内がきれいか
ルールが守られていない会社では、共有部分の管理責任者が曖昧で、汚れていても放置されているケースが多く、そもそもルールが存在していない可能性もあります。基本的なことですから、チェックし忘れてはなりません。
掲示物が多過ぎないか
掲示物が無駄に多い会社も注意が必要です。多過ぎないか、その掲示物の内容が守られているか(ごみは分別しましょうという掲示物の下にあるゴミが分別されていないなど)を確かめておきしましょう。清掃と同様、古いものや汚れたものが放置されていればルールが守られてないと分かります。
無駄なコミュニケーションがないか
例えば、採用面接で訪問した際に、対応者が周囲に話しかけて案内する場所や担当者を確認しているという様子を想像してみてください。そのコミュニケーションは、採用候補者が来社した際のルールが決まっていれば発生しません。そういった会社では、ほかにもルールが不足していて、周囲とコミュニケーションを取りながら物事が進むためロスタイムが多く、無駄なコミュニケーションがハラスメントにつながるケースも少なくありません。競争よりも仲のよさを優先している会社が陥りやすい状態です。
組織図があるか
誰に何を求められているのかが明確に決まっていない会社は危険です。そこで、ポイントになるのが組織図の有無とその中身です。入社前に、その会社に組織図があるかどうか、必ず把握しておきましょう。以下、組織図の有無を確かめる際の方法と注意点を挙げます。
直接見せてもらう
組織図の有無を確認する最も単純な方法はずばり直接見せてもらうことです。組織図が存在しない、もしくはあっても大枠だけで詳細が曖昧な会社は危険です。評価者が誰かが不明確で、いろいろな人からタスクが飛んできたり、上司なのかそうでないか不明な人たちの意見の相違に迷わされたりすることになる可能性が高いです。
上司が複数いないか
組織図があったとしても、上司が複数の場合、優先順位がつけられずに悩んでしまう恐れがあります。また、そのような会社には、結果を出していないのにうまく立ち回っていて評価が高い人や、上司でもないのに「この人に嫌われたら終わり」という人が存在していることが多いです。
役職が多すぎる
「部下のいない課長」「課長代理」「副主任」「課長補佐」などの役職が多い会社には気を付けてください。②の複数上司状態になりやすく、その役職者本人も往々にして何を求められているかが認識できていません。管理職として機能していない場合が多いということです。年功序列的で評価が不明確な組織が陥ってしまいやすいケースです。
評価制度が明確か
いつまでに何を達成すればよいのか、達成できれば何が獲得できるのかが不明確な会社は危険です。これは、求人情報でもチェックが可能です。下記の三点に注意して見るようにしてください。
評価制度が存在するか
可能であれば内容を確認してください。存在しない、もしくはあっても定性的で、できたかできていなかったが判断できないような内容の会社は危険です。期限になって達成できたかどうかが判断できないため、何を目標に行動すればよいか不明確で迷ってしまう可能性が高いです。その上、結果を出していなくてもアピールしたりごまかしたりする人が評価されるような状況になります。
評価者が複数いないか
前述の組織図チェックでもお伝えした通りの弊害があります。①の評価制度が曖昧なために複数で評価した方が安全で平等という錯覚が発生し、それが原因で評価者が複数になるケースが多いです。評価制度が明確で、達成したかどうかが誰の目にも明らかであれば、そもそも複数で評価する必要はないのです。
自己評価がないか
評価は他者がするものですから、自己評価を制度として設けている会社は危険です。できたかできていなかったかは会社や上司が求めている基準の達成率で評価される必要があります。自分で決めた目標を達成できたとしても、それが会社や上司の求めていることと合致していなければ会社にとっても本人にとってもムダ働きになる可能性があります。
以上、お伝えしたチェックポイントを念頭に転職活動を進めていけば、それだけで危険な会社を見分けられるようになるはずです。
危険な社員にならないために
さて、ここまではあくまでも会社を選ぶ際のポイントです。同時に、ご自身も選ばれていることを認識した上で、ルールや期限を守り、目標を設定して転職活動を進めてください。
最後に、転職しようとする方に向け、転職活動の心得を識学講師の視点からお伝えしたいと思います。
自責で考える
「いろんな人に相談しすぎて逆に迷った」という失敗談をよく耳にします。そういう方は、一度相談された側の立場になって考えてみてください。質問してきた人が自分のアドバイスのせいで転職活動に失敗したら、後から何か文句を言われるだろうと思うはずです。したがって、相談された方の多くが、何と答えればよいのか迷うはずです。生活も共にしていない、自分の人生に責任もない人に相談すれば、かなりの高確率で否定的な意見か先延ばしの意見を聞くことになります。
転職するのは自分です。選択権は自分にあります。権限と責任はセットですので、決める責任は自分にあるということを忘れてはなりません。
やりたいことをリストにする
転職するということは、今までとは違う何かを目指すということです。その何かがイメージできていなければ、消去法か、前述のように誰かに相談して選択することになってしまいます。明確にやりたいことがイメージできている方は問題ありません。
なかなか明確に決められないという方は、「いつまでにこれをやりたい」ということを思いつくままリストに記載していき、優先順位を三段階程度で仕分けしてみてください。転職の場合、リストにして改めて整理すると、転職自体が必要ないという決断に至ることも少なくありません。
何よりも大切なのは、自分自身が「危険な社員」にならないことです。あなたは、入社したその日から評価される存在になります。ルールを守らず、自己評価をして、結果が出なくてもアピールしてごまかそうとする危険な社員には絶対にならないでください。ルールを守り、求められている成果を出すために行動し、不明確なことがあれば確認して目標達成を目指す存在になってください。
未達成であれば、行動を変えたり増やしたりして達成するまでチャレンジし、達成すればまた次の目標を明確に設定して行動してください。そうすれば、あなたは自分が選択した会社で、会社の求める成長ができ、その結果、会社から必要とされる社員になれるはずです。
【この記事を書いた人】
渡會 剛至/大阪営業部 営業1課 課長
同志社大学文学部を卒業後、法務省矯正局に入省。 非行少年の面談や行動観察、矯正教育のカリキュラム管理や行事運営などに13年ほど携わる。 法務省退職後、注文住宅販売会社に入社して1年目でトップ営業となり、2年目で事業責任者を任される。 その後は、個人事業主としてコンサルティング業に従事しながら学校設立を目指す中、組織作りに悩み、解決方法を模索しているなかで出会った識学のロジックに共感し、識学に入社。
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いかがでしたか。転職先の検討をされている方の参考になれば幸いです。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/