靴の形状で思い浮かぶのは、どれも足先のすぼまった形だろう。しかし、そこに待ったをかけたのが、岡山県の「岡本製甲」代表・岡本陽一氏である。
「靴は足を守ることが役割です。足先のすぼまった靴の形は、当たり前と思いがちですが、じつは歩行の際に足指を圧迫しています。踏み出した足指は1cmほど広がるため、足先にはゆとりが必要なのです」(岡本氏)
そうした考えのもと、12年の歳月を費やし、岡山大学スポーツ教育センターと共同開発の末に完成したのが、この足袋シューズだ。親指が独立し、歩行に合わせて足指が自然と広がる構造は外反母趾にも対応。足指に力が入るので、地面を捉えて力強い歩行を促す。
足袋シューズには、靴職人の工夫が至る所にちりばめられているのも大きな魅力だ。厚みのあるソールはしなやかなクッション性があり、インソールは低反発素材を採用。甲部のメッシュ素材は編むことで縫い目を減らし、足へのあたりを抑えている。
そして、際立つのが軽さ。片足約180g(23cm)と超軽量で、長時間履いても疲れにくいのがありがたい。「靴職人が足の健康を第一に考え、裸足感覚の履き心地にこだわりました。一度履いたら必ず癖になりますよ」と岡本氏も太鼓判を押す自信作である。
【今日の逸品】
ラフィートVL07 婦人用
岡本製甲
12,100円(消費税込み)