夏休み、真っ只中。長期休暇を利用して、孫が遊びに来るという方も多いだろう。成長した孫の姿を見られる喜びを感じる一方で、最近はお年玉ならぬ「お盆玉」という風習が定着しつつあり、祖父母の金銭的負担は増す傾向にある。
今回はあおぞら銀行が全国の55~74歳の男女約2000名を対象に行なった「シニアのリアル調査」を参考に、シニア世代の孫消費の現状について紹介する。
「お盆玉」の認知度は約4割。2年前の2倍以上!
「お盆玉」とは、お盆の時期に子どもや孫にあげるお小遣いのこと。最近では、郵便局などでも、お盆玉のポチ袋が販売されている。
「お盆玉」という言葉を知っているかの質問に「知っている」と答えたのは37.2%(男性32.2%/女性42.0%)。前年より8.3ポイント増加した。2年前と比較すると2倍以上の伸び率があることから、お盆玉が徐々に広がりをみせていることがわかる。
「お盆玉」の平均額は5800円。関東の方が関西に比べて500円高い
今年「お盆玉」をあげる予定の人は33.5%と、前年から1.9ポイントアップ。いくらあげる予定かたずねたところ、その平均金額は5800円だった。金額の分布を見ると、前年同様「5千円~1万円未満」が37.7%と最も多いが、一方で「1万円~1.5万円未満」は前年より5.7ポイント増加している。今は5000円代が平均だが、今後は徐々に高くなるかもしれない。
また、関東と関西を比べると、いずれも前年と同額で、関東が関西より500円高いという興味深いデータもでている。
なんと!半数が帰省してくる子や孫の交通費を負担
「帰省してくる子や孫がいる」と答えた人のうち、子や孫が帰省する時に交通費を負担している「負担派」シニアは47.1%。約半数が負担しているという結果となった。
帰省の交通費「負担派シニア」の平均は3万100円
「負担派」はいくら払っているのか、見てみよう。
「負担派」はシニアひとりあたり、子や孫が帰省する時に負担している交通費の平均は3万100円。2016年をピークに減少傾向にあるが、それでも3万円超え。なかなかの金額である。
男女別では、男性シニアの平均が2万8700円に対し、女性シニアは3万1300円と、女性シニアの方が男性よりも平均で2,600円多く負担しているようだ。
交通費以外にも。食事、おもちゃなど帰省中の支援額は平均4万4500円
金銭援助は交通費だけではない。子や孫の帰省時に使う予算(交通費以外)の平均は4万4500円。食事、おもちゃ、テーマ―パークの入場券など、目的はさまざまだろう。男女別でみると、女性シニアの平均金額は5万円に迫る勢いなので、帰省中の子や孫への負担を惜しまない!という方も多いようだ。
孫のために買ったもの1位「節句の人形」2位「ランドセル」3位「自転車」
孫がいるシニアに、過去、孫のために購入したことのあるものを聞いたところ、1位「節句の人形」が53.0%で最も多かった。次いで「ランドセル」46.3%、「自転車」30.5%、「七五三」30.1%、「入学金」28.9%と続いた。いずれも孫の行事や節目には、シニアの支援が根強いことがわかった。
平均購入金額では「節句の人形」9万3400円、「ランドセル」5万800円、「自転車」3万100円。最も高額だったのは「マンション・家(頭金・一部負担含む)」で494万200円だった。
.子や孫と一緒の海外旅行に平均49万円
海外旅行の費用について一緒に行く相手をタイプ別に聞いたところ、その平均金額は「子供や孫との旅」が49万2900円と最も高かった。次いで「夫婦だけの旅」39万6900円、「友人との旅」20万7000円、「一人旅」19万8600円だった。
慣れない海外旅行は子や孫と、という方も多いのかもしれない。
孫のかわいさに、つい財布の紐が緩んでしまうシニアも多いようだ。とはいえ、負担が大きくなり、自分の生活が困窮しては本末転倒。いつまでも元気に子や孫と過ごすためにも、自分がサポートできる範囲でほどほどに!
参考/あおぞら銀行「シニアのリアル調査」2018
文/鳥居優美