連日暑い日が続きます。
東京・日本橋では、毎年夏に「ECO EDO 日本橋」と題し、“江戸の涼”を体験できるイベントを街の至るところで実施しています。そんな中、老舗百貨店の日本橋三越では、7月3日(金)~7日(火)まで店内のご案内係や各階の店頭販売員がゆかたを着用し、接客しました。期間後も、店舗内の一部ではゆかた姿の店員を見かけることができるはずです。
また、4日(土)には、日本橋料理飲食業組合青年部が結成する「日本橋三四四会(みよしかい)」の若旦那による「ゆかた自慢大会」が行なわれました。
この「日本橋三四四会」は、昭和34年(1959)4月に発足したことにちなみ“三四四会”と名づけられました。真摯に料理作りに励むことで日本橋の味を守り、地域のさまざまな活動に積極的に参加することで、日本橋の活性化に取り組んでいます。
現在の会員数は約60名で、老舗あり、創業したての店もありと様々です。

今回は、そのうちの24名がゆかた姿で参加。料理場の白衣姿とは違った装いで、来場者を楽しませてくれました。

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↑「日本橋とよだ」の五代目となる橋本 亨さん。ゆかたは、竺仙の小千谷縮。同店が日本橋に店を構えたのは、幕末の文久3年(1863)。創業から受け継がれてきた技と、 おもてなしの心でお客様を迎える。

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↑「日本橋 舟寿し」の二永展嘉さん(日本橋料理飲食業組合の組合長)。このゆかたは、日本橋小舟町・町会役員用として、同町の着物店「竺仙」の協力で作られたとか。現在は、一般会員や町会など多くの方に親しまれているゆかただ。

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↑「てん茂」の四代目の奥田秀助さん。同店の創業は、明治18年(1885)。ごま油で揚げた江戸前のてんぷらの店で知られ、これからの季節は夏の名物であるアワビのてんぷらが、おすすめとか。

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↑「辰巳」(日本料理)の三代目の津田昌彦さん。日本橋茅場町で、昭和26年(1951)に創業。気軽に多くの人に楽しんでもらえる日本料理を提供している。

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↑「日本橋いづもや」の三代目の岩本公宏さん。昭和21年(1946)に創業し、現在も当時の建物を磨きこんで大切にしている。来店の際は、先代女将の父が蒐集した浮世絵や掛け軸にもご注目を。

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↑「うなぎ・割烹 大江戸」10代目当主の湧井浩之さん。創業寛政12年(1800)で、うなぎを生業として215年になる。三四四会の副会長も務める

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↑「鰻 高嶋家」の五代目の鴛尾 明さん。同店は、明治8年(1875)に神楽坂で創業し、その後日本橋小舟町に移転して140年続く。写真のゆかたは、この日のためにあつらえたもの。涼しげな青い瓢箪柄で、無病息災を願っているそう。

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↑「利久庵」の三代目の水谷 弘さん(日本橋室町一丁目会の青年部長)。このゆかたは、室町一丁目会の青年部の浴衣。神田祭や盆踊りなどで着るそう。

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↑室町一丁目「松楽」三代目の石原一弘さん。父母そして息子・娘と三代に渡り地元の常盤小学校に通う日本橋ッコ。表と裏を同時に別柄で染める籠染めという技法を使った日本橋「竺仙」の浴衣です。

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↑昭和21年に日本橋・茅場町で創業した果実店「イマノフルーツファクトリー」が経営するレストラン「ビストロ サブリエ」のシェフ・今野登茂彦さん。季節の果実を料理に取り入れていて、四季の移り変わりも料理と一緒に楽しめる。

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↑2003年9月に開店したワインバー「ヴィーノ エ イル ラコルタ」の長谷川隆洋さん。友人のお父さんが来ていた由緒ある浴衣を来て登場です。

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「日本橋ゆかり」の野永喜三夫さん。同店は、心やすらぐ都心のオアシス。お昼から落ち着いて楽しめる旬の料理御膳などを用意しています。

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↑洋食界の草分けで池波正太郎が通ったことでも知られる「たいめいけん」の茂出木浩司さん。昔ながらの味を守り続けて、お客様をお待ちしています。

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↑大正2年に本家「日本橋とよだ」からわかれ、100年以上もお客様から愛されている「八重洲とよだ」の富永 一さん。このろうけつ染めの浴衣は、帯に合わせて誂えたものです。

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↑創業83年の元祖・「大勝軒」三代目の高橋一祐さん。今回のために夏の紬と本麻の襦袢を作りました。

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↑昭和23年に創業し、今年で67年を迎える居酒屋「いけ増」の喜多高廣さん。四季折々の旬の食材を毎朝築地より仕入れ、丹念込めて調理しています。今回の浴衣は、幼少期に過ごした新潟県・小千谷の小千谷縮で仕立てました。

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↑明治2年創業で、東京で最も歴史あるすき焼き店として知られる「伊勢重」の七代目・宮本尚樹さん。この浴衣は、五代目の祖父の形見の反物で仕立てたもの。高砂部屋のOB会会長を努めていたご縁で、部屋より頂戴したものとか。

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↑明治7年創業の鰻料理店「喜代川」の五代目・渡辺昌宏さん。この浴衣は若女将が嫁ぐときに誂えた手ぬぐいの型を使って作ったもの。カタカナの「キ」、火消し文字の「よ」、三本線で「川」と、喜代川をあしらっています。

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↑文豪・志賀直哉も愛したことで知られる明治22年創業の「蛇の市本店」五代目の寳井英晴さん。父ゆずりの浴衣で登場しました。

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↑大正8年創業で老舗肉問屋直営のすき焼店「肉鮮問屋 佐々木」四代目・長岡俊也さん(三四四会副会長)。今年新作浴衣を三越にして購入したとのこと。

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↑昭和38年創業洋食店「レストラン桂」の手塚清照さん。親子二代で切り盛りしているアットホームなお店です。この市松模様の浴衣は、日本橋「竺仙」で誂えました。

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↑明治12年創業の「吉野鮨本店」五代目の吉野正敏さん。今回の催しのために新調した浴衣と、親父さんのお下がりの雪駄で登場です。

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↑昭和18年に遡る初代の本店長から数えて28代目の日本橋三越本店長・中 陽次さん。延宝元年創業の呉服商・越後屋がその前身で、日本初の百貨店は今年で創業342年目。日本橋の老舗の皆さんとともに、1日楽しめる街づくりに参加していきたい、とのこと。

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↑江戸時代の日本橋の魚河岸は「毎朝千両ずつ落ちる」と言われたほど盛況な魚河岸がありました。その日本橋室町の魚河岸の魚屋「高根屋」を前身とする鮨店「繁乃鮨」三代目で三四四会会長の佐久間一郎さん。この浴衣は、日本橋三越で新調したものです。

↑日本橋・八重洲地域の若旦那集の記念撮影会。この後、お客様との記念撮影会も行なわれた。

 

三四四会の若旦那たちが浴衣を誂えた日本橋・竺仙については、以下をご覧ください。
日本橋 竺仙
http://www.chikusen.co.jp/

 

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