「40代で選んだ女優と介護の二足の草鞋」

アイドル歌手時代に見た天国と地獄。自分探しの30代を経て、今は女優と介護福祉士の仕事を両立させながら、人間・北原佐和子を真摯に見つめる。

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北原佐和子(きたはら・さわこ)昭和39年、埼玉県生まれ。高校在学中に芸能界入り。アイドル歌手として活躍後、女優に転身。平成19年、ホームヘルパー2級の資格を得て、介護の仕事を始める。同26年、介護福祉士の資格を取得。昨年、『女優が実践した介護が変わる魔法の声かけ』を上梓。

 

平成26年3月、女優の北原佐和子さんは介護福祉士の試験に合格した。念願の国家資格の取得だ。芸能界という華やかな世界に身を置きながら、何が北原さんを介護の仕事に向かわせたのか。

「女優という仕事は不規則で、2~3か月もスケジュールが空くことがある。そんな時、世の中から取り残されたようで、心のバランスを崩しそうになりました」

乗馬や陶芸などの趣味に打ち込んでも、心は満たされない。自分が必要とされる仕事が他にもあるのではないかと考えた時、思い出したのが20代の頃に出会った障がいのある人たちとの関わりだった。

友人を介して手にした障がい者が焼いた器。毎日それらを使いながら、何と温かい気持ちになったことか。その友人にはダウン症の子供がいた。その子の純真無垢な姿に、生きている限り人間って素晴らしいと思い至ったこともある。

自分探しの30代を経て、43歳でホームヘルパー2級の資格を取得。介護福祉士となった今は、午前中は介護現場、午後からは女優の仕事と切り替え、本格的に二足の草鞋を履く生活を続けている。

芸能界に入ったのは、16歳の時。〝ミス・ヤングジャンプ”に選ばれ、昭和57年(1982)には歌手デビュー。いわゆる〝花の82年デビュー組”のひとりで、同期には小泉今日子や早見優らがいた。

「大人たちに褒められ、それが喜びや自信にもなったけれど、歌や踊りの基礎を勉強したわけではない。人気に翳りが見え始めると、皆、背を向けていった。中身が伴っていないことを思い知りました」

10代で見た天国と地獄。徐々に軸足を女優の世界へと移す。現在は女優やレポーター、また介護をテーマにした講演、朗読会などで全国を回る。女優、介護士、講演、朗読。この4つすべてが必要なもの。虚と実の間を行き来しながら、ようやく人間・北原佐和子という存在が見えてきたという。

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北原さんが働く介護施設は要介護2、3の利用者が中心。コミュニケーションの基本は声かけで、感情豊かに表現することを心がけている。

 

 

 

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最近、介護をテーマとした講演依頼も多い。7年の現場経験から介護の実際を分かりやすく説く。昨年、介護福祉士の国家試験に合格。大きな自信と励みになった。

40代で介護現場で働き始めた女優の北原佐和子さん。その動機や女優との両立など、こちらでご紹介しきれていない興味深い話は「ワタシの、センタク。」のウェブサイトで公開中です。

ワタシの、センタク。
http://towa-sentaku.jp/anohito/sarai/

提供/東和薬品

 

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