
ライターI(以下I):『豊臣兄弟!』で木下藤吉郎秀吉(後の羽柴秀吉→豊臣秀吉/演・池松壮亮)の妻寧々を演じている浜辺美波さんの取材会が行なわれました。浜辺さんが演じる寧々が大好きな私としては、取材会に参加したかったのですが、出張と被ってしまったので、泣く泣く断念しました。
編集者A(以下A):ということで、取材会には私が参加しています。秀吉の正室寧々といえば、1965年の大河ドラマ『太閤記』で藤村志保さんが演じて以来、当代きっての若手俳優あるいはベテラン俳優の方が演じるのが定番となっています。ざっと振り返ってみますが、藤村志保、十朱幸代、吉行和子、八千草薫、香川京子、中山美穂、沢口靖子、草笛光子、酒井法子、浅野ゆう子、冨士純子、大竹しのぶ、黒木瞳、鈴木京香、和久井映見(敬称略)……といった具合です。
I:浜辺美波さんは本作が大河ドラマデビューなのですが、2017年の映画『君の膵臓をたべたい』での演技が日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、演技には定評のある実力派俳優です。『豊臣兄弟!』では、早口の台詞が多かったりしますが、台詞のすべてがはっきりくっきり聞き取れて、見ている側も安心感があります。
A:いわれてみれば! 早口の台詞が聞き取れない場合があったりするのですが、確かに浜辺さんの台詞は常にはっきり、くっきり聞き取れますね。さて、寧々の夫は秀吉ということで、足軽以下から身を興し、侍大将、さらには城持ち大名、そして最終的には天下人になるわけですが、正室の寧々も夫の立身に準じて「出世」していくことになります。
I:秀吉と寧々といえば、1981年の『おんな太閤記』では、ねね(演・佐久間良子)と秀吉(演・西田敏行)との仲睦まじい場面、1996年の『秀吉』でのおね(演・沢口靖子)と秀吉(演・竹中直人)との膝枕のシーンが印象に残っています。
A:『豊臣兄弟!』でも膝枕のシーンが登場したのですが、なんと枕になったのは藤吉郎秀吉でした。浜辺さんはこの場面について、実は脚本では従来通りの枕=寧々、寝る人=藤吉郎だった、という裏話を話してくれました。
I:なるほど。現場の演出で、ああいう感じにしたんですね。そういう「裏話」はどんどんオープンにしてほしいですね。なんだか見返したくなりますし、わくわくしてきますね。
まつとのやり取りがお気に入り
A:さて、当欄からは、浜辺さんが印象に残っている場面、台詞を教えてほしい、という質問をしました。その答えが、第5回のコロシアム風の場所で行なわれた「御前大試合」の場面でのまつ(演・菅井友香)とのやり取りだということでした。
I:え? 私がいちばん気に入っている場面と同じです。なんだか凄くうれしいです。この場面の浜辺さんの目の動き、表情、声の張り、全部好きです。
A:ということで、その場面を振り返りたいと思います。
まつ:「旦那さま、サルは山へ追い返してください!」
寧々:「藤吉郎さん、そんな犬っころに負けたら承知しませんよ!」
です。藤吉郎の家族も含めて、楽しい場面でした。
今後の寧々の奮闘に注目
A:今後は織田信長包囲網が構築されるなど、秀吉がほぼ家にいない日々が続きます。そうした中で、寧々は残された「秀吉ファミリー」の面倒をみるなど、多忙な日々を送ることが予想されます。
I:前田利家(演・大東駿介)とまつから養子をもらったり、後に福島正則(演・松崎優輝)や加藤清正(演・伊藤絃)になる少年たちの面倒をみることになります。いったいどんな寧々さんが私たちの目の前に現れるのでしょうか。

大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合 日曜 20時00分~ 他
【作】八津弘幸 【音楽】木村秀彬 【語り】安藤サクラ
【出演】仲野太賀 池松壮亮 ほか
●編集者A:書籍編集者。かつて『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり











