字画も少なく、しょっちゅう⽬にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか⼼配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか?
いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を⾒ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」今回は、「刀豆」をご紹介します。
その名の通り、刀のように鋭く大きな豆の姿を想像しながら、漢字への造詣を深めてみてください。

「刀豆」は何と読む?
「刀豆」の読み方をご存じでしょうか?
正解は……
「なたまめ」です。
「とうず」と音読みすることもありますが、植物そのものを指す場合、一般的には「なたまめ」と読みます。マメ科の一年草で、熱帯アジア原産とされています。夏に淡いピンクや白の花を咲かせた後、非常に大きな鞘(さや)をつけるのが特徴です。
読み方としては、「なたまめ」が一般的ですが、その形状から別名として「帯刀」(たてわき)と呼ばれることもあります。これは平安時代の役職である帯刀(たちはき/たてわき)が身につけていた太刀に似ていることに由来するという、なんとも雅な異名です。
「刀豆」の由来
「刀豆」は、見た目のインパクトがそのまま語源になった、たいへん分かりやすい名です。
完熟したさやが、山仕事などで使う鉈(なた)に似ていることから、この名前が付けられました。鉈は木を切るための大きな刃物で、湾曲した独特の形をしています。
日本語の植物名には、姿・手触り・香りなど、五感から拾った情報がそのまま残ることがよくあります。「刀豆」も、まさにその系統です。意味を知ってから写真を見ると、「なるほど、これは『刀』だ」と腑に落ちるはずです。

福神漬けと「刀豆」の意外な関係
「なたまめ」と聞くと、「ああ、あの健康茶の」と思われる人が多いかもしれません。確かに最近では、歯磨き粉やお茶の成分としてよく耳にします。しかし、もっと古くから私たちの食卓に欠かせない名脇役として存在していたことをご存じでしょうか。
それは、カレーライスのお供、「福神漬け」です。
福神漬けの中に入っている、あの不思議な形をした断面の野菜。レンコンとはまた違う、ひょうたんのような、あるいは軍配のような形をした一片。あれこそが、若いうちに収穫して刻んだ「刀豆」なのです。
明治時代、上野の漬物店が考案したとされる福神漬け。大根、茄子、蕪、独活(うど)、紫蘇、蓮根、そして刀豆。これら7種類の野菜を七福神になぞらえて「福神漬け」と名付けられました。つまり、刀豆は七福神の一柱を担う重要なメンバーだったのです。
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いかがでしたか? 今回の「刀豆」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか?
カレーライスを食べる時、福神漬けの中に小さな「刀」を見つけたら、その由来や歴史に思いを馳せてみるのも一興かもしれません。
来週もお楽しみに。
●執筆/武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com











