
腰の重だるさが続きなかなか腰痛が治らないとお悩みの場合、「腎」の衰えが関係しているかもしれません。市販の漢方薬としても馴染みのある「八味地黄丸(はちみじおうがん)」は、腎が衰え腰痛が長引きやすいタイプの人に向けて用いられる処方です。
今回は、八味地黄丸の効能や向いているタイプ、併せて行いたいセルフケアを、あんしん漢方所属の薬剤師の碇純子さんにうかがいました。
腰痛はなぜ起こる?

腰痛には、筋肉のこわばりや血行不良、生活習慣など、様々な要因が考えられます。とくに冬場は下半身が冷えやすく、筋肉が緊張して血流が滞り、痛みや重だるさが生じやすくなるのです。
漢方医学では、腰痛は生命エネルギーの源である「腎」が加齢や疲労、ストレスの蓄積によって衰えることで起きると考えます。これは「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態で、腰痛以外に、足腰のだるさや下半身の冷え、夜間頻尿などの不調も見られるのが特徴です。
単なる筋肉疲労による腰痛とは異なり慢性化しやすいため、根本的な体質改善を意識したケアが重要です。
八味地黄丸はどんな人に向いているのか

八味地黄丸は、地黄(じおう)や山茱萸(さんしゅゆ)などを含む六味丸(ろくみがん)に、体を温めて巡りを助ける効果が期待できる桂皮(けいひ)と附子(ぶし)を加えた処方です。
六味丸は加齢による腎の衰えを補い、エネルギーや水分の巡りを整える処方です。八味地黄丸では温める力をプラスしているため、冷えを伴う腰痛によく用いられます。
八味地黄丸は、腎が衰えていると考えられる以下のようなタイプの人に向いています。
・腰が重だるく、朝起きるととくに痛みを感じやすい
・足腰が冷えやすい
・夜中に何度もトイレに行く
・むくみやすい、疲れが抜けない
桂皮と附子の働きにより末梢の血流が改善し、冷えてこわばっていた腰周りの巡りを温めてサポートします。特に加齢にともなう慢性的な腰痛を抱えている人や、冷え性が強い人に適しています。
八味地黄丸と併せて行いたいセルフケア

八味地黄丸と併せて日常の習慣を整えることで、より早く腰痛の改善が期待できます。ここでは、腎を労り補うセルフケアを紹介します。
1.「腎」を補う食材を摂る
漢方医学では、黒い食材は腎を補うと考えられています。黒い食材には、黒ごまや黒豆、ひじき、昆布、わかめ、黒酢などが挙げられます。煮物に黒豆や昆布を加える、味噌汁にわかめを入れるなどして、日々の食事に取り入れましょう。
ほかにも、生姜やネギなどの体を温める作用のある食材やうなぎ、豚肉、もやしなども腎を補う効果が期待できます。
なお、海藻類や魚介類などが持つ「鹹味(かんみ)」には水分代謝を調整して腎を養う働きがあります。ただし、摂りすぎると腎に負担をかけることがあるため適量を心がけましょう。また、冷たいものも腎に負担をかけるため、温かい食べ物や飲み物を摂るようにすることも大切です。
2.下半身を冷えから守る
下半身を冷えから守ることも大切です。腰やおなか周りは冷えやすく、薄手の服装だと血流が低下し、筋肉がこわばりやすくなります。外出時は厚手の靴下やタイツで足元の冷えを防ぎ、室内ではひざ掛けや腹巻きなどで腰を温かく保つことが効果的です。
また、座りっぱなしが続くと下半身の血流が滞るため、1時間に一度は立ち上がり、軽くストレッチしたり歩いたりして血流を促進しましょう。血液によって全身に熱が運ばれて温まり、腰の重だるさを和らげる助けになります。
3.ストレスを発散させる
ストレスがたまっていると自律神経のバランスが乱れ、腎の働きが弱まりやすくなります。そのため、軽い運動や散歩をする、ゆっくりと湯船に浸かる、ご自身の好きな音楽を聴くなど、自分なりにストレスを発散できる習慣を取り入れましょう。
とくに入浴は、体を温めて腰周りの血流を改善し、筋肉のこわばりを和らげるため腰痛ケアとしても効果的です。38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分浸かることを意識しましょう。
副作用はある? 安心して服用するために

八味地黄丸は副作用として発疹やのぼせ、発汗、動悸、舌のしびれなどが出る場合があります。また、以下に当てはまる人は注意が必要です。
・むくみが強い人
・胃腸が弱い人
・のぼせが強い人
・体力が充実している人
・妊娠中または妊娠していると思われる人
もし、服用後に副作用と思われる症状が出た際には、服用を中止し医師に相談しましょう。
【専門家による体質チェックもできる「あんしん漢方」】
漢方薬は自己判断で飲み続けるのではなく、体質や症状に合っているかを専門家に確認しながら服用することが安心につながります。医師や薬剤師など漢方のプロに相談したいなら、スマホひとつで相談から購入までできる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスを利用してみてはいかがでしょうか。AI(人工知能)を活用したオンライン個別相談もできるため、手軽で便利です。
腰痛ケアは「腎」を労ることが大切

腰痛が長引きやすい人は、冷えや腎虚が背景にあることが多く、その体質に合う八味地黄丸が適している可能性があります。食事や生活習慣を整えて腎を補いながら、体を温めて冷えから守ることが改善への近道です。専門家に相談しながら漢方薬を取りいれて、改善を目指しましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0288&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=260103











