取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

日本では婚姻届を役所に提出し、受理されると夫婦と認められる。夫婦となり、パートナーのことを家族だと受け入れられるものの、パートナーの両親やきょうだい、連れ子などを含め、「みんなと家族になった」とすんなり受け入れられる人もいれば、違和感を持つ人もいるという。また、ずっと家族として生活していたものの、分かり合えない関係のまま離れてしまった人もいる。家族について戸惑った経験がある人たちに、家族だと改めて感じられたきっかけを聞いた。

株式会社LIFRELLでは、夫婦仲に関する実態を探るべくアンケート調査(実施日:2025年1月〜2月、有効回答数:夫婦間が不仲だと感じている既婚男女200人、インターネット調査)を実施。調査にて、「夫婦間でコミュニケーションは十分とれていますか?」の問いに対して、「十分とれている」と回答したのは2.0%にとどまり、「ある程度はとれている」は42.0%だった。次いで、夫婦間のスキンシップについての満足度を聞くと、「どちらとも言えない」が36.0%で最多となり、2位は「全く不満」が28.5%、3位は「やや満足」が25.5%となり、不満を抱えている人が50%を超える結果となった。

今回お話を伺った佳澄さん(仮名・45歳)は、結婚する前から夫とのスキンシップ不足に悩んでいた。【~その1~はこちら

子どもを授かるために、2年ぶりにレスが解消した

結婚を機に引っ越した新居では寝室を分けることになり、それまで3か月に一度ほどだった夫婦生活はゼロに。佳澄さんは夫を求めたい気持ちはあったが、結婚前の「気持ち悪い」という発言から、何も言えなかったという。

「レス状態にあったことを伝えた私に対して『女のほうからそういうこと言ってくるのは気持ち悪い』と言われたことが、心のしこりのように残っていたんです。あのときに別れ話にまで発展してしまっていたので、結婚してから一度もスキンシップさえなくなった状態に対しても文句は言えませんでした」

35歳で結婚し、そこから2年は我慢したという。しかし、子どもが欲しかった佳澄さんは離婚になるかもしれないという覚悟を持ち、夫に「妊活をしたい」と訴えた。

「結婚したのが遅かったので、すぐにでも妊活がしたかったのに何も言えないまま2年が過ぎました。でも、このまま何もせずに後悔してしまうのは違うと思ったんです。その結果、別れることになったとしても、やれるだけやろうと。それに、体の関係を持つことが目的ではなく、子どもを作るための行為となれば、夫も了承してくれるかもしれないという希望もありました。

夫にそんな思いも全部伝えたら、『子どものために、努力する』と言ってくれました。そこからタイミングを計り、月に一度、関係を持つようになりました」

やんわりと拒否されることもあったが、月に一度の夫婦生活を1年以上続けるも、妊娠には至らなかった。不妊治療の検査を受けようと言ってきたのは、夫のほうだったという。

「不妊治療については私も半年ほど経ったときからずっと考えていました。しかし、そのことを夫に伝えると、夫婦生活もすべてやめてしまうと言われるんじゃないかと思って、怖くて口に出せなかったんです。

1年が経ち、夫のほうから不妊治療に行こうと言ってくれました。進めることは嬉しくもありましたが、検査で異常がわかったらどうしようという恐怖もありました」

【求めないことも大切だった次ページに続きます】

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