
桜の開花予想も発表され、お花見を待ちわびている人も多いことでしょう。桜の名所はもちろん、近所のお散歩コースなど、桜の鑑賞方法はたくさんありますが、今年は鉄道とのコラボレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
そこで今回は、『サライ.jp』でお伝えしてきた「桜が映える駅や鉄道」についてご紹介します。この時期だけの風景を訪ねてみませんか。
1:ライトアップされた桜が水鏡に映る幻想的な風景(千葉県)

JR 内房線の五井駅と上総中野駅を結ぶ非電化の私鉄、小湊(こみなと)鐡道。春になると目を見張るような桜の風景が沿線に続きますが、なかでもぜひ訪ねたいのが飯給(いたぶ)駅です。ホーム真横の水田に水が張られ、水鏡に映る桜の駅を観ることができます。
特に夕暮れがおすすめ。線路脇の桜がライトアップされ、駅と桜が暗闇と水鏡に浮き上がり、幻想的な春の絶景に出会えます。
水鏡に映る桜の駅|飯給駅(千葉・小湊鐡道)【駅舎の写真家が選んだ桜の駅旅】
2:沿線に立ち並ぶ桜と蒸気機関車が映える(静岡県)

蒸気機関車の運転で知られる静岡県の大井川鐵道。路線の中ほどにある家山(いえやま)駅線路に並行する大井川の堤防上に約280本のソメイヨシノが並び、県内でも有名な桜スポットのひとつ。駅から300mほど南に歩いた家山川橋梁付近が観桜ポイントで、河原から桜とSL列車を眺めることができます。
立ち並ぶ沿線桜に映える蒸気機関車|家山駅(静岡・大井川鐵道)【駅舎の写真家が選んだ桜の駅旅】
3:高台の無人駅から、桜の花越しの相模灘を望む(静岡県)

南欧風の木造駅舎が特徴的なJR伊東線伊豆多賀駅。駅前にはソメイヨシノの古木が集まり、春のシーズンを迎えると駅舎の広場を埋め尽くすように咲き誇ります。標高52mの駅からは、桜の小枝の先に相模湾も遠望できます。
また、駅から網代駅方向には遊歩道「四季の道」も整備され、散策するのにも最適です。
高台の無人駅から望む、桜の花越しの相模灘|伊豆多賀駅(静岡・JR伊東線)【駅舎の写真家が選んだ桜の駅旅】
4:渓谷のローカル駅を彩る桜のトンネル(岡山県)

1日7往復のみ走る、JR 因美(いんび)線の東津山駅〜智頭(ちず)駅間にある三浦駅。線路の両側に植えられた桜で、駅舎すらない駅がまるでピンクの綿菓子をかぶせたようになり、停車する気動車を丸ごと包みます。
渓谷のローカル駅を彩る桜のトンネル|三浦駅(岡山・JR因美線)【駅舎の写真家が選んだ桜の駅旅】
5:日本最西端の鉄道で出会う、極上のソメイヨシノの並木(佐賀県)

九州西端の北松浦半島の町々を結び、全長91kmにもおよぶ第三セクター鉄道の松浦鉄道。桜の季節になると1両のワンマン列車が満員の花見客を乗せて向かう駅が浦ノ崎駅です。待合室だけの無人駅ですが、線路の両側からソメイヨシノが枝を伸ばし、桜花がホームや列車ごと包む沿線でも屈指の桜名所となります。
日本最西端の鉄道で出会う極上のソメイヨシノの並木|浦ノ崎駅(佐賀・松浦鉄道)【駅舎の写真家が選んだ桜の駅旅】
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フォトジェニックな桜と鉄道のコラボレーションは、写真家でなくても心が動かされます。近隣の迷惑にならないよう配慮しながら、この時期だけの絶景を楽しみたいものです。
文/編集部
