昨年11月、惜しまれつつ世を去った詩人・谷川俊太郎(1931~2024)。高名な哲学者、谷川徹三を父にもちますが、彼が進んだのは詩の世界でした。21歳で処女詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たして以後、92歳で亡くなるまで、日本の詩の可能性を広げることに尽力し、詩人として、絵本作家として、脚本家として、翻訳家として幅広く活躍し、老若男女を問わず多くの人々から愛されました。

『かないくん』 絵・松本大洋
ほぼ日 2014年

新潟県立万代島美術館で開催の「谷川俊太郎 絵本★百貨展」は、谷川俊太郎の仕事のうち絵本に注目した展覧会です。(1月18日~4月6日)

本展の見どころを、新潟県立万代島美術館の主任学芸員、松本奈穂子さんにうかがいました。

「2024年11月、92歳で亡くなった詩人の谷川俊太郎は、さまざまな絵描きや写真家と生涯に200冊にも及ぶ絵本を作ってきました。

『まるのおうさま』 絵・粟津潔
福音館書店 1971年

本展はたくさんの絵本の中から約20冊の絵本を取り上げ、多彩なクリエイターが独自の視点により、絵本から絵や言葉が飛び出す新しい形で絵本の世界を表現するものです。絵本の原画展示だけでなく、インスタレーションやアニメーションを通じて、絵本の世界を立体的に体験いただけます。 

会場風景(東京会場)撮影・高橋マナミ

見どころの一つが、谷川さんが画家の元永定正さんと作った絵本『もこ もこもこ』。元永さんの今にも動き出しそうな奇妙な形の絵とともに、意味に捉われない日本語の音が楽しめる絵本です。この独特な絵本が、展覧会では谷川さんの名朗読が響き渡る中、絵や光が360度ぐるりと「もこもこ」「ぎらぎら」「ふんわふんわ」する映像インスタレーションに変身しています。谷川さんの絵本の世界に入り込んだような、身体全体であじわっていただける展示空間になっているはずです」

『もこ もこもこ』 絵・元永定正
文研出版 1977年

谷川俊太郎が届けたかった思い……。会場で体感してみてはいかがでしょうか。

【開催要項】
谷川俊太郎 絵本★百貨展
会期:2025年1月18日(土)~4月6日(日)
会場:新潟県立万代島美術館
住所:新潟県新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内 万代島ビル5階
電話:025・290・6655
公式サイト:https://banbi.pref.niigata.lg.jp
開館時間:10時~18時(鑑賞券の販売は17時30分まで)
休館日:1月20日(月)、2月3日(月)、2月17日(月)、3月3日(月)、3月17日(月)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
2月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店