ユーモアと不思議にあふれた安野ワールドを一望できる展覧会【安野光雅展】

画家として、絵本作家として、独創的な世界観が国内外で高い人気を得ている安野光雅さん。94歳で亡くなるまでその飄々とした人柄も親しみをもって愛されました。

あべのハルカス美術館で開催の「安野光雅展」は、安野作品の初期から晩年までを一望できる展覧会です。（９月16日～11月12日）

本展の見どころを、あべのハルカス美術館の新谷式子さんにうかがいました。

「島根県津和野町に生まれ、画家、絵本作家、装丁家、エッセイストとして活動した安野光雅（1926-2020）の初期から晩年までの仕事を、空想、科学、物語、風景をキーワードに原画約140点と資料、合わせて約230点で紹介する展覧会です。

開催にあたり一番こだわったのは、『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎな さーかす』の出品です。安野さんの絵本の原点であり、視覚の魔術師エッシャーの「呪いにかかった」様子がよくうかがえる初期三部作は、まとめて 25点をお貸出しいただきました。

また、事実と真実を問う『天動説の絵本』と、沢山の人と沢山の物語を描き込んだ『旅の絵本Ⅵ デンマーク編』は全ページを出品しています。このほか、病を押し１万キロを旅して取り組んだ『繪本 三國志』は物語に呼応する画中の詩や画材にも注目しながら、思い出を描いた『昔の子どもたち』は安野さんのいたずらに気を付けながら、お楽しみください。

さらに特別出品として、没後アトリエで原画が見つかった『旅の絵本Ⅹ オランダ編』より２点を、津和野町外では初めて展示しています。

考えることは生きること―。何よりも自由な空想を、空想し自ら考えることを大切にした安野光雅の世界に触れてください。

本作りの裏話や記憶に残るエピソードを元担当編集者にお話いただくイベントを実施します。（事前申込制、先着順）」

心温まりどこか郷愁をさそう安野ワールドが全開！　会場でゆっくりご鑑賞ください。

【開催要項】
安野光雅展
会期：2023年９月16日（土）～11月12日（日）
会場：あべのハルカス美術館
住所：大阪市阿倍野区阿倍野筋１－１－43　あべのハルカス16階
電話：06・4399・9050
展覧会公式サイト：https://www.ktv.jp/event/anno/
美術館公式サイト：https://www.aham.jp
開館時間：月・土・日・祝は10時～18時、火～金は10時～20時（いずれも入館は閉館30分前まで）
休館日：10月16日（月）
料金：美術館公式サイト参照
アクセス：美術館公式サイト参照

取材・文／池田充枝