20世紀アメリカの具象絵画を代表するアンドリュー・ワイエス(1917-2009)は、高名な挿絵画家だったニューウェル・コンヴァース・ワイエスの5番目の子としてペンシルヴェニア州チャッズ・フォードで生まれました。幼いときから父の手ほどきを受けて画家の道へ進み、1937年の個展では全作品が完売するなど、若くして頭角を現します。
同時代の前衛的な芸術からは距離を置き、生涯にわたり故郷のペンシルヴェニア州と夏を過ごしたメイン州を拠点に身近な世界を精緻に描き続けました。

テンペラ、パネル 83.8×63.5cm
マイロン・クニン・コレクション、ミネアポリス
Myron Kunin Collection of American Art,
Minneapolis, MN
photo: Curtis Galleries, Inc.
(C)2026 Wyeth Foundation for American Art
/ARS, New York / JASPAR, Tokyo
東京都美術館で開催の「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」は、作品総数約100点の展示となる大規模展覧会です。(4月28日~7月5日)
本展の見どころを、広報事務局にうかがいました。
「1974年に東京都と京都で開催されて33万人を集めた日本で最初の個展以来、1995年、2008~9年の開催と、日本でのワイエスの人気は不動になりました。本展は、ワイエスの没後、日本初となる待望の回顧展です。

テンペラ、パネル 63.5×76.2cm
ナショナル・アカデミー・オブ・デザイン、ニューヨーク
National Academy of Design, New York, USA
/Bridgeman Images.
(C)2026 Wyeth Foundation for American Art
/ARS, New York / JASPAR, Tokyo
彼の作品には、窓やドアなど、ある種の境界を示すモティーフが数多く描かれます。境界は、西洋絵画史のなかで古くから取り上げられてきたテーマですが、ワイエスにとってはより私的な世界との繋がり、あるいは境目として機能しています。本展は、その境界の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見ていこうとするものです。

水彩、紙 76.8×55.9cm
カマー美術館、ジャクソンビル
Gift of an Anonymous Donor, Cummer Museum of Art & Gardens, Jacksonville, Florida, USA
(C)2026 Wyeth Foundation for American Art
/ARS, New York / JASPAR, Tokyo

テンペラ、パネル 84.5×57.8cm
ユニマットグループ
(C)2026 Wyeth Foundation for American Art
/ARS, New York / JASPAR, Tokyo
また、本展には、ホイットニー美術館の《冬の野》、フィラデルフィア美術館の《冷却小屋》、フィルブルック美術館の《乗船の一行》など10点以上の日本初公開の作品が出展します。あらためてワイエスの魅力にふれる機会となるでしょう」

テンペラ、パネル 70.5×51.4cm
フィルブルック美術館、タルサ
Philbrook Museum of Art, Tulsa, Oklahoma.
Bequest of Marylouise Cowan, 2010.9.11
(C)2026 Wyeth Foundation for American Art
/ARS, New York / JASPAR, Tokyo
静謐の中に見るものを引き込む何かがある、それは何か…会場でじっくりご鑑賞ください。
【開催要項】
東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展
会期:2026年4月28日(火)~7月5日(日)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8‐36
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://wyeth2026.jp/
開室時間:9時30分~17時30分、金曜日は~20時(入室は閉室30分前まで)
休館日:月曜日(ただし5月4日、6月29日は開室)、5月7日(木)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
巡回:豊田市美術館(7月18日~9月23日)
あべのハルカス美術館(10月3日~12月6日)
取材・文/池田充枝











